レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.050

申告書作成のAI自動化が完成

2026.10.02

1. 律する税理士コラム(近況報告)

10月に入り、半袖では少し肌寒く感じる季節になりました。

引き続き、事務所のAX(AIトランスフォーメーション)を進めています。

領収書・請求書や通帳をデータ化して仕訳にする自作アプリも、日々使いながら改善しています。

これにより、紙の資料をデータ化して仕訳にする作業が、どんどんスムーズになっています。

会計データをチェックして異常値を修正する作業も、AIが自動でこなしてくれます。

さらに、申告書作成のAIによる自動化が完成しました。

作成後のチェック、送信後の一連の作業(控えの送付、請求書の作成と送付、Notionへの転記、送信一覧を確認して漏れがないかのチェックなど)まで、AIで自動化できました。

途中で何度もつまずいたり時間がかかったりしますが、その都度見直して改善し、正確性とスピードを上げています。

もちろん、最終確認と税務判断そして最後の送信は人間である私が行います。

それ以外の作業部分をAIが担当してくれます。

自分の作業だけでなく、他のスタッフの作業もどんどんAIに置き換わっています。

今月からはいよいよ、スタッフにも税務ソフトを触らせることなく、AIだけで作業を完結させようと思っています。

AIの費用が増える一方で、他の有料ツールは解約に向けて準備を進めています。

STREAMED、バクラクやUiPath(RPAソフト)あたりは解約の対象です。

これぞまさに「SaaSの死」。

弥生会計からの移行が完了したら、弥生も解約したいですね。

これからも、不要な業務や経費をどんどん見直していこうと思います。

そして、AIによって生まれた時間を、もっと人に会ったり提案をしたり、新たな領域への挑戦にあてようと思います。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 日税連「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」を公表——9月25日:日本税理士会連合会 デジタル・システム委員会

日本税理士会連合会(日税連)のデジタル・システム委員会は、9月25日に「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」(Ver1.0)を公表しました。

ガイドラインは「使ってはいけない」を並べたものではなく、税理士が法令を守りながら、安全にAIやクラウドを使いこなすための具体的な方法を示したものです。

「AIは脅威ではなく協働者」とし、最終的な判断と責任は税理士が負うという立場をとっています。

全体は、概要版と次の3つの文書で構成されています。

  • 文書A(実務指針編):扱う情報の区分、ツールの使い分け、場面別の注意点、情報漏えい時の初動対応など
  • 文書B(詳細解説・法的根拠編):なぜその対応が必要なのかを、条文や公的ガイドラインから解説
  • 文書C(事務所導入・規程集):事務所の利用規程のひな型と、管理台帳・承認申請書・同意書など10種類の様式

主なポイントは次のとおりです。

  • AIに入れる情報を区分する:マイナンバーは原則入力禁止です。顧問先の財務データや個人情報は、事務所が承認した「企業版」のツールだけで扱います。
  • 安全に使うための「3つの鉄則」:

①ビジネス向けの有料プランを使う(個人向け・無料版は業務に使わない)、

②データ処理契約(DPA)を結び、入力内容がAIの学習に使われない設定にする、

③事務所でルールを決めて職員を教育し、年1回以上の定期確認を行う

  • 顧問先への説明と同意:顧問先の情報をAIに入力する場合は、AIの利用を説明し、書面で同意を得ることが強く推奨されています。
  • AIの出力はそのまま使わない:税務の判断や税額の計算については、条文や通達で裏付けを取り、税理士が確認してから顧問先に提供します。

実務ポイント:

税理士事務所がAIを使うときに、顧問先の情報をどう扱うべきかについて、税理士業界として初めてまとまった目安が示されました。

今後、税理士事務所から「AIの利用についての説明と同意のお願い」が届くことが増えるかもしれません。その際は、どのツールに、どの範囲の情報を入れるのかを確認していただくと安心です。

ガイドラインは一般の事業者向けではありませんが、「無料版は業務に使わない」「学習に使わせない設定にする」「社内でルールを決める」という考え方は、御社の経理や営業でAIを使う場合にもそのまま参考になります。

うちの事務所でも、このガイドラインに沿って、利用規程や管理台帳の整備を進めていきます。

新たに顧問契約書(電子契約)にもAI利用条項を入れて順次説明を行なっていこうと思います。

2-2 国税庁「年調ソフト」令和8年分の正式版を公開——10月1日:国税庁 年末調整手続の電子化に向けた取組について

国税庁は10月1日、令和8年分の年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)の正式版と操作マニュアルを公開しました。

8月に公開されていたプロトタイプ版の正式版にあたります。

令和8年分の年調ソフトは、令和8年12月1日以後に行われる年末調整に対応しています。

実務ポイント:

年末調整の時期が近づいてきました。

従業員の方から控除申告書を電子で集める予定の会社は、今のうちに、使っている給与ソフトが令和8年分に対応しているかをご確認ください。

従業員への配布や回収の段取りは、10月~11月のうちに決めておくと、12月に慌てずに済みます。

近年はクラウドタイプの給与システムが増えているので、メールで従業員たちに通知してシステムに入力してもらうのがより簡便で効率的です。

この年調ソフトの使い勝手がどうかはよくわかりません。

会計の次は給与の領域も便利なアプリを作ってみようかと目下企んでいます。

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 会計ソフトの乗り換えを「1社1コマンド」に(ミロク→マネーフォワード)

いま事務所では、顧問先ごとにバラバラだった会計ソフト(弥生会計・ミロク・勘定奉行など)を、マネーフォワードクラウド会計に順次移行しています。

乗り換えで一番怖いのは、過去の仕訳が途中で抜け落ちたり、二重に入ってしまったりすることです。

実際にやってみると、マネーフォワードの仕訳取込は1ファイル1万行までという上限があり、それを超えた分はエラーも出ずに黙って取り込まれない、という落とし穴がありました。

件数の多い会社ほど、気づかないまま帳簿の数字がずれてしまうおそれがあります。

そこで、ミロクからの乗り換え作業を、1社につき1つの指示で最後まで流せる仕組みにしました。

  • 取込の前に、元のデータの件数と金額を自動で点検する
  • 取込の後に、件数が元データと一致しているかをゲートで確認する
  • すでに取り込んだ年度は二度取り込まない
  • 途中で止まっても、どこまで終わったかを自分で判断して続きから再開する
  • 最後に、全ての勘定科目について、元のソフトとマネーフォワードの残高を1円単位で突き合わせる

あわせて、乗り換え後の勘定科目を事務所の標準の形にそろえる仕組みも作りました。

銀行ごとにバラバラに作られていた預金の科目を、「普通預金」「当座預金」などの種類ごとの科目+銀行ごとの補助科目に整理し、販売費及び一般管理費の並び順もそろえます。

その結果、今週は7社分の過去5期前後の帳簿を乗り換え、全科目で差額0円を確認できました。

科目の形がそろったことで、どの会社の決算書を開いても同じ場所に同じ科目があり、担当者が変わっても迷わずに済むようになります。

4-2 国税庁の新しい「e-Tax API」への接続準備

国税庁は、9月に本稼働した新しい基幹システム(KSK2)にあわせて、外部のソフトからe-Taxの情報を取得できる「e-Tax API」の仕様を公開しました。

これまで、電子申告を送信した後の受付結果(ちゃんと届いたかどうか)は、申告ソフトの画面から一覧を書き出して、申告の予定表と人の目で突き合わせていました。

送信漏れを防ぐための大事な作業ですが、件数が多い時期にはそれなりに手間がかかります。

また、申告前にこれまで郵送で送られてきていた申告のお知らせは今やe-taxのシステムに格納されるので、それをわざわざ取りに行ってダウンロードする必要があります。

そこで、e-Tax APIを使って受付結果や国税庁からのお知らせを自動で取得する仕組みの第1段階を作りました。

今週、国税庁へのAPI利用申請を済ませ、情報を読み取るだけの接続プログラムを用意しています。

利用許可が下りれば、受付結果を自動で取り込み、「申告すべき税目があるのに受付結果が届いていない」ものを毎日自動で洗い出せるようになる予定です。

なお、仕様書を読み込んでみると、法人について取得できる情報は、個人に比べてかなり限られていることもわかりました。

e-taxと同時にエルタックスのAPI申請も申し込みました。

このシステムができればイータックスまわりの管理がかなり楽になることが予想されます。

乞うご期待!

5. 編集後記(食事、睡眠、運動など)

会社の経営数値と社長の健康数値。社長が管理すべき二大数値です。

自分自身の実践も含めて、短く共有していきます。

実は今年に入ってから、腰の左側にずっと痛みがありました。

長い時間座って作業しているのが主な原因だとは思っていました。

ストレッチで伸ばしたりしても痛みは取れず、整形外科に行くべきか、マッサージか整体に行くべきかと悩んでいました。

自宅用にフォームローラーを買って腰をぐりぐりとやってみましたが、かえって痛くなってしまい、さらに悩むことに。

あれこれと考え体をいろいろと動かしているうちに、腰と背中の筋が連動していることに気づきました。

そこで背中をローラーでほぐしてみたところ、なんと腰の痛みがなくなったのでした。

これをトレーナーに話したところ、「首、肩、背中、腰、裏ももなどは全部つながっているので、原理としてはよくあることですよ」と言われました。

それ早く言ってよ、と思いましたが、他人の状況なんてそうそうわかるわけないですよね。

それからは、朝晩ローラーで背中と裏ももを集中的にほぐすようにしています。

また、座り過ぎに注意をし、定期的に立ったり外に出るようにしています。

同じように腰の調子が悪い方は、参考にしてみてください。

身体のどこにも痛みがないというだけで、日々のQOLが爆上がりします。

健康に感謝です。

それでは良い週末を。

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