レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.049

同業事務所のスタッフ向けにAI講演

2026.09.25

1. 律する税理士コラム(近況報告)

先日、長年お付き合いのある同業仲間の税理士事務所のスタッフたちの前で、AIに関する講演をしてきました。

その事務所は30人ほどの規模で、まだAIを業務に積極的に活用していない段階とのことでした。

AIの一般的な話というよりも、税理士事務所におけるAIの活用事例にフォーカスしてお話ししました。質疑応答を含めて、2時間ほどになったと思います。

あまりマニアックすぎる話をしても引かれるし、当たり障りのない話をしても意味がないので、税務の日常業務で使えるシーンを想定した事例を中心にお話ししました。

自分がAIをどのように業務で活用しているか、どのようなアプリを使っているか、どれくらい業務を削減できているか、税理士業務にどう活かしているかを中心にお話ししました。

もちろん、私が今開発中のアプリの紹介もし、ご要望があれば格安で提供するというリップサービスもしてしまいました。

サポート体制など大丈夫かと、少し心配になってきました。

私がこれまで作成したスキルやアプリで有用なものは、仲間たちには積極的に提供するつもりです。ただ、AIを利用するので、AI利用料として最低限の原価+αはいただくことになります。

講演では、AIの活用事例だけにとどまらず、AIを活用して業務を効率化した後に何をすべきかという点についてもお話ししました。

それは、製造業における「スマイルカーブ」という考え方を、税理士事務所に当てはめて考えたらどうかという仮説を、私なりにアレンジしたものです。

スマイルカーブとは、縦軸に付加価値の高さ、横軸に製造工程の時系列をとったとき、上流と下流の付加価値が高く、中流の製造部分の付加価値が低いということを表す、スマイルのような放物線を描くという説です。

税理士事務所も、記帳業務や申告書作成という業務を製造工程と捉えるのであれば、AIによってこの部分の付加価値は下がり、より付加価値の高い上流と下流にシフトすべきだという主張です。

そのためにも、製造部分である記帳や申告書作成業務に、とことんAIを活用する方向にシフトしています。

これを書いている矢先に、近畿地方の仲間からもどこで話を聞きつけたのか、うちの事務所でもAIに関する講演をしてほしいと依頼がありました。

来月の日程を押さえたので、今回の話をさらにバージョンアップさせて話そうと思います。

1か月後には、さらにできることが増え、話せる内容も増えていると思います。

AIに関しての一般的な話はあふれていますが、会計税務における活用についてはそれなりに話せることがあると思っています。

同業者仲間であれば、いつでもどこでも行って、私の手の内を洗いざらい話そうと思います。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 日銀、政策金利を1.25%に引き上げ——9月会合で追加利上げを決定:日本銀行 総裁記者会見資料(2026年9月24日)

日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げることを賛成多数で決定しました。

物価上昇リスクへの警戒から利上げペースを加速させた形で、日銀総裁は「政策の局面が変化している」とコメントしています。補完当座預金制度の適用利率等も連動して引き上げられる見込みです。

実務ポイント:

変動金利で借入をしている会社は、今後の返済負担が増える可能性があります。

借換えや固定金利への切替えを検討している方は、早めに金融機関へ相談することをおすすめします。

逆に、預金や資金運用の面では金利上昇がプラスに働く場面もあります。

設備投資や資金調達のタイミングを計画している方は、実行時期をあらためて見直す機会かもしれません。

2-2 国税庁システム「KSK2」が本稼働——9月19日〜24日のe-Tax停止・様式一斉変更・IPアドレスも変更:国税庁

https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2026/topics_20260422ip.htm

国税庁は、約25年ぶりとなる基幹システムの全面刷新「KSK2」を9月24日に本稼働させました。

移行作業のため、e-Taxは9月19日(土)0:00〜9月24日(木)8:30は全く利用できませんでした。

これにあわせて、申告書・届出書・法定調書など約1,800件の様式が、AI-OCRでの読み取りに適した形式(控用の廃止、原則白黒化など)に変更されています。

あわせて、9月24日(木)8時30分以降、e-TaxのIPアドレスが固定IPアドレスから動的IPアドレス(接続のたびに変わる方式)に変更されました。

実務ポイント:

e-Taxを日常的にお使いの方は、まず様式が変わっていないかご確認ください。

ファイアウォールでe-TaxのIPアドレスを個別に許可している場合は、国税庁の案内どおり、IPアドレス指定からURL指定(login.e-tax.nta.go.jp、mypage.e-tax.nta.go.jpなど)への設定変更が必要です。

9月24日からすでに切り替わっていますので、未対応の方は至急ご確認ください。

うちが使っている達人システムでは早速不具合が生じ、電子申告の開始届が送信できないというエラーが生じ、カスタマーに問い合わせたところ鋭意復旧作業を進めているので、一旦はe-taxのサイトから送信してくれと言われました。

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 決算ゲート/消費税ゲート

決算書・試算表・内訳書はそれぞれ別の書類として作るため、同じはずの数字が転記ミスや入力ミスでズレてしまうことがあります。

貸借対照表の合計と決算書の数字が違う、前期の繰越金額と今期の期首残高が合っていない、といったことは、チェックする人数が多いほど、かえって見落とされやすくなります。

そこで、決算書・試算表・内訳書などの数字を機械的に突き合わせる「決算ゲート」を作りました。

貸借の一致、前期繰越と当期期首のつながり、決算書と試算表の一致、利益の整合性など、10種類以上の項目を、左辺・右辺・差額まで自動で計算します。

あわせて、課税売上割合の再計算や、受け取った消費税と支払った消費税から納付税額を逆算するチェックなど、消費税特有の論点を確認する「消費税ゲート」も用意しました。

1件でも数字が合わなければ機械がその場所を指摘してくれるので、まず機械でひととおり洗い出してから人の目で確認する順番に変わり、同じ箇所を何度も見直していた時間が減りました。

4-2 電子申告システムへの自動取込・自動起動

申告データを電子申告システムに入力し、送信する作業は、画面を1つずつ確認しながら操作する必要があり、件数が多い時期はかなりの時間を費やすことになります。

人が手作業で行う分、入力の抜け漏れや操作ミスが起きるリスクもあります。

そこで、クロードとCodexをMCPで繋ぐことにより、申告用ソフト「達人」へのデータの取込や画面操作を、クロードへの指示のみで自動で行えるようにしました。

これでクロードとCodexにそれぞれ指示を出すことなく一元管理ができるようになりました。

このクロードとCodexの連携には個人的にかなりのインパクトがあって、今後はクロードにレビューさせた資料をさらにCodexで再レビューさせることにより、二者の専門家にダブルチェックをさせる仕組みが出来上がったようなものです。

レビューの精度がさらに上がることが期待されます。

4-3 証憑ゲートウェイの高速化+支払データ自動生成

開発中のアプリですが、領収書や請求書をアップロードしてから、会計データとして使える状態になるまでの待ち時間が長く感じられることがありました。

件数が多い日はアップロードのたびに数百ミリ秒から1秒ほど待たされ、まとめて処理すると体感的な待ち時間がさらに積み重なります。

また、誰にいくら振り込むかという支払データの作成も、別に手作業が必要でした。

そこで、証憑をアップロードしてから会計データにするまでの仕組みを、国内のより高速なサーバーに移し、処理の流れも見直しました。

あわせて、振込先ごとの支払データを自動で作れるようにしました。

その結果、1回の処理にかかる時間は、数百ミリ秒から1秒ほどだったものが、約20ミリ秒まで短くなりました。

10倍から100倍ほど速くなった計算です。

体感でも確実に動作が速くなりました。

証憑を溜め込まずにその場で処理できるようになり、支払データの作成も自動化されたことで、資金繰りの確認や振込作業の負担がラクになります。

4-4 決算書の財務諸表CSV化(電子申告対応)

本来申告書を提出する際に、財務諸表データも添付して送信する必要があります。

会計と税務システムが同じメーカーであれば、自動的に抽出をして添付ができますが、別の会計ソフトを使って決算書を作成している場合、データの変換が非常に手間だったりします。

なので本来提出が認められているデータ形式ではなく便宜的にPDFで添付をしていました。

特に税務署から何も言われないのでそのまま続けていたのですが、やはり違和感は残っていました。

そこでこのデータ変換もAIに依頼をして正式なデータ形式に自動的に変換をし、申告書に組み込んで送付することに成功しました。

これにより、形式の不備による提出のやり直しのリスクがなくなり、決算書の完成から電子申告までの時間も短くなりました。

5. 編集後記(食事、睡眠、運動など)

会社の経営数値と社長の健康数値。社長が管理すべき二大数値です。

自分自身の実践も含めて、短く共有していきます。

血液検査などの各種検査結果について、医者から解説を受けてきました。

検査の数値は至って良好で、細かい部分はいくつか言われましたが、これといって改善すべき項目はないとの事でした。

とても同年代の数値とは思えないとの褒め言葉もいただきました。

お世辞でもうれしいものです。

決算書など普段見慣れている数字についてはどこがどうおかしいかと言うのは一目でわかりますが、全く知識のない数字については専門家からの解説が必要だと改めて感じました。

自分にとっての当たり前でも、それに関する知識がない人にとってはわかりやすく丁寧に(ときにはおだてつつ)伝えることが大事なんだなと思います。

それでは良い週末を。

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