レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.044

税理士AIスキルアッププロジェクト、3人に

2026.08.21

1. 律する税理士コラム(近況報告)

かねてより構想していた税理士AIスキルアッププロジェクト(仮称)を着々と進めています。

先月1人目の候補税理士とミーティングをし意気投合した後に、2人目の税理士にその場で連絡をしてアポを取り、今週3人の税理士でミーティングを行いました。

最初の2人が3人目の税理士の事務所に伺うという形で開催をしました。

先にホスト税理士のAI活用状況についてヒアリングをしました。

そこではAIに課金をしていますが、検索やPDFのチェックなどのレベルで活用しており、バイブコーディングまでは使いこなしていない模様でした。

次に私の事務所で活用しているAIの事例を紹介したところ、ぜひそのレベルで活用していきたいとのことでした。

参加者たちにはノートパソコンを持参してもらい、あらかじめクロードのプロプランに加入していただいた上で、その場でVSコード(ターミナルを使いやすい無料アプリ)をダウンロードしてもらい、ターミナルからクロードコードを起動できるようにインストール対応しました。

その過程でいくつかのトラブルがありましたが、私が伴走してその場で乗り越えることができ、無事ターミナルからClaudeコードを起動できる環境が完成しました。

これで今後AIからPCを操作したりアプリを開発する環境が整いました。

後はclaudeに質問をしながら自走していくだけです。

まずはこの3者でAIに関する情報交換に終わるのではなく、実際にリアルなAI業務ツールを共有し、各事務所の生産性向上につなげることを合意しました。

また、それぞれの事務所の生産性向上だけで終わるのではなく、各クライアントに対して今後AIコンサルティングを提供できるようにして、クライアントたちの生産性向上にも寄与していくことを目指すことにしました。

自己満足の世界を脱して他者を巻き込んで、より良いものを作っていく。

これはAIにはできないことだと思います。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 「消費税インボイスの経過措置、10月からは5割じゃなくて7割控除です」

2026年10月1日から、免税事業者からの仕入れについての控除割合が「8割」から「7割」に下がります。

ここを「5割」だと思っていた方、かなり多いと思います。

実際、元々の法律ではそうでした。

今回はこの「5割じゃなかった」の中身と、実務への影響を整理します。

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■ 何があったのか(事実の部分)

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インボイス制度では、免税事業者(インボイス発行事業者以外の相手)からの仕入れは原則として仕入税額控除ができません。

ただし激変緩和のために「当面は8割だけ控除してよい」という経過措置が置かれてきました。

これが当初の法律では、2026年10月に8割→5割へ一気に30ポイント下がり、2029年10月には完全に控除不可となる予定でした。

これが令和8年度税制改正で見直され、下げ幅がなだらかになったうえ、終了時期も2年延びました。

【改正後のスケジュール】

〜2026年9月30日        8割控除

2026年10月1日〜2028年9月30日 7割控除 ← 新設

2028年10月1日〜2030年9月30日 5割控除

2030年10月1日〜2031年9月30日 3割控除 ← 新設

2031年10月1日〜        控除不可

併せて、売手側の「2割特例」も見直されました。個人事業者に限って、令和9年・令和10年分は「3割特例」として2年延長。法人は延長なしです。

さらにこちらは厳しくなる方向ですが、一の免税事業者からの年間仕入れの上限が10億円から1億円に引き下げられました(2026年10月1日以後に開始する課税期間から)。

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■ で、これは何を意味するのか

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◆ 1)まず「自分の情報が古い」ことを疑ってください

この改正は、正直、周知が遅れています。「インボイス 経過措置」で検索すると、今でも「2026年10月から5割控除」と書かれた記事が上位に並びます。更新日が新しい記事でさえそうです。

チャットAIに聞いても、学習データの関係で「5割」と答えることがあります。制度が途中で変わった論点は、こういう事故が起きやすい。

◆ 2)仕訳のコピペが一番危ない

実務で最も事故が起きるのは、前月の仕訳をコピーして日付と金額だけ変えるやり方です。税区分は「80%控除」のまま残ります。

同じことは自動仕訳ルールや定型取引のテンプレート、経費精算システムにも言えます。一度作ったルールは、誰も見直さないまま動き続けます。自動化を進めている会社ほど、ここは意識的に棚卸ししたほうがいいです。

なお、判定は請求書の発行日や支払日ではなく「課税仕入れを行った日」です。役務提供なら役務が全部完了した日。9月〜10月をまたぐ請求は要注意です。

◆ 3)「免税のままでいく」判断の前提が変わりました

これが今回一番大きいところだと思っています。

「どうせ2029年には全額控除できなくなるのだから、早めに登録しよう」というのが、これまでの小規模事業者向けの定番のアドバイスでした。ところがタイムリミットが2031年9月まで伸びたことで、この前提が崩れました。今後5年間は、免税のままでも取引先の負担は段階的にしか増えません。

特にBtoC中心の事業や、取引先が簡易課税を選択している場合は、そもそも影響が限定的です。「みんな登録してるから」で登録した方は、一度自分の商売で再計算する価値があります。

逆に発注側から見れば、「来年には控除できなくなるので」という価格交渉のロジックは使えなくなりました。実際の差分は10%(税額ベース)です。ここを突っ張って交渉すると、下請法・独禁法上のリスクを背負います。

◆ 4)法人と個人で扱いが分かれました

2割特例の延長は個人事業者だけです(しかも3割に変更)。法人は令和8年9月30日を含む課税期間で終了し、翌期からは本則課税か簡易課税です。

直近に法人成りした方は、ここで税額が想定外に跨ね上がるケースがあります。簡易課税を使うなら届出の期限管理が命なので、早めの検討を。(2割特例・3割特例を使っていた事業者は申告期限までの提出でOKという緩和措置があります)

◆ 5)年間1億円超の外注先がある会社は別問題

上限額10億円→1億円の引下げは、建設・運送・IT受託など外注比率の高い会社には実害が出ます。1億円を超えた部分は経過措置の対象外、つまり控除ゼロです。

会計ソフトで「税区分=80%控除」の仕訳を取引先別に集計すれば、該当先はすぐに見つかります。年内に一度回しておくことをお勧めします。

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■ 変わらないところ

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  • 経過措置の適用に届出・申請は不要
  • 帳簿への「経過措置の適用を受ける旨」の記載と、区分記載請求書等の保存は引き続き必要
  • 少額特例(税込1万円未満はインボイス不要)は2029年9月30日まで継続

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■ 9月中のチェックリスト

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□ 会計ソフトに「70%控除」の税区分があるか確認した

□ 自動仕訳ルール・定型取引・経費精算システムの設定を見直した

□ 「10月1日以降の取引は7割」を経理担当者に共有した

□ 80%控除で処理している取引先を洗い出した

□ そのうち年間1億円を超える先がないか確認した

□ (免税事業者の方)登録するかどうかを、今回の延長を前提に再検討した

□ (2割特例を使っていた方)終了後の計算方法を決めた

いずれにせよ、消費税は改正が多く複雑で、トラブルが増えがちです。

正しい情報に基づいて適切に対応するようにしましょう。

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 今週作ったアプリ

iPhoneアプリ「Voice Inbox」

今週はiPhoneアプリを作成しました。

最近、文字の入力はもっぱら音声入力を使用しており、iPhoneのメモアプリに音声入力してそれを切り取り、LINEやClaudeなどに貼り付けていました。

音声入力の精度はだいぶ向上しているのですが、人の名前や税務などの専門用語となるとうまく認識しないケースが多く、その都度修正するストレスがありました。

そこで、人の名前や専門用語などをあらかじめ単語帳に登録しておいて変換しやすくするという機能を思いつきました。

また、音声入力を入口として、あらゆる他のツールへの貼り付けが簡単にできるアプリがあればいいなと。

音声メモはワンクリックでコピーが可能、他の言語にも翻訳ができ、文字をAIが整形する機能(ClaudeのAPIと連携)もあります。

さらに、ミーティングの予定などを音声入力からカレンダーに登録する機能もつけました。

カレンダーは仕事用とプライベート用など複数の中から選択することができ、一度選択するとそれが次からデフォルトとして指定されます。これが実に便利。

AIに構成を指示すればものの5分ほどでiPhoneアプリのプログラムを出してくれ(fable5)、ベースとなる形ができ上がりました。

まずは自分のiPhoneに入れて使い勝手を試しながら、その都度修正したり機能を追加したりして、どんどん改善されております。

今ではこのアプリがないと業務ができないレベルにまで来てしまいました。

ある程度完成したらApp Storeで配布しようかなとも企んでおります。

自分が欲しいと思ったアプリを即座に超ローコストで作れる時代が来ました。

この波に乗り遅れないようにしましょう。

5. 編集後記(食事、睡眠、運動など)

会社の経営数値と社長の健康数値。社長が管理すべき二大数値です。

自分自身の実践も含めて、短く共有していきます。

先週末は親しくしている先輩家族と一緒に山へバーベキューをしに行ったり、海で遊んだりしました。

久しぶりに自然に触れ、子供たちと一緒に海で泳いだりして、すっかり背中の皮が脱皮状態です。

自然に触れることで人間本来の記憶が蘇るとでも言いましょうか、身体が喜ぶ感覚がありました。

また、アタマを空にして偉大なる大自然をずっと眺めている時間がなんとも至福の時間でもありました。(仕事のし過ぎかな)

定期的に自然と触れる時間を作ろうと思いました。

かといって過度な日焼けは肌に良くないと思われるので気をつけたいと思います。

それでは良い週末を。

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