レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.042

大学院同期の税理士仲間と情報交換

2026.08.07

1. 律する税理士コラム(近況報告)

先週、大学院の同期である税理士仲間たちと会って情報交換をしました。

開業している者もいれば勤務税理士もいて、既存の会社に勤務を継続しながら開業している人もいます。それぞれが税理士として抱えている課題や悩みを共有し合い、意義のあるミーティングとなりました。

私は会うたびにAIの活用を勧めてきたのですが、そのうちの1人がやっとClaude Codeを始めたとの報告がありました。

最初はわからないことだらけだったけれど、Claude Codeの始め方をClaudeに質問して何とか進めることができた、と言っていました。

まだ使っていない税理士は「そんなやり方があるのか」と驚いていましたが、まさにそのやり方で私もスタートしました。

AIはウェブ上で作業する使い方が一般的ですが、ターミナル(Mac)やコマンドプロンプト(Windows)から操作すれば、ウェブの中だけでなく、パソコン全体を動かすアプリを作ったりすることができます。

とはいえ、ほとんどの一般ユーザーはターミナルやコマンドプロンプトのいわゆる「黒い画面」を触ったことがないと思います。

私も最初は、間違ったコマンドを入力してパソコンやファイルが壊れてしまうのではないかという不安がありました。

しかし、そのハードルを超えた先には無限の可能性が広がっています。

最近では、Claude Codeをリモートで操作できるように設定し、外出先のスマホからClaude Codeに指示を出しています。

指示はもはやタイピングではなく、音声入力です。このメールも大部分を音声入力で書いています。

スマホの音声入力も最近はかなり精度が高まり、実用レベルになってきています。

事務所でパソコンに向かって作業する時間は明らかに減りました。

かといって仕事をしていないわけではなく、今まで以上に業務をこなしている感覚さえあります。

AIを活用することで生産性が高まり、これまで以上のパフォーマンスを出せている気がします。

AIのない仕事にはもう戻れません。

とことん突き進んでいきます。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 「飲食店潰れますよ」食料品消費税“1%減税”の中で上がる懸念 外食は10%で“9%”差に…一方で対象の弁当店でも悲痛な声「値下げできない…」(TBS)

ニュースの整理

2026年8月5日、政府は臨時閣議で飲食料品の消費税率を 2027年4月1日から2年間、8%→1% に引き下げる基本方針を決定しました。

税率が下がるのは1989年の導入以来はじめてです。

  • 外食と酒類は10%のまま。税率差は現在の2%から**9%**に拡大
  • 2年間の時限措置で、2029年4月に8%へ戻す予定
  • ゼロ%でなく1%になったのは、ゼロ税率だとシステム改修に約1年かかるため
  • ただし基本方針の閣議決定まで。9月に大綱、秋の臨時国会に法案という流れで、対象品目の細目や経過措置は未確定です

報道では外食チェーンから「飲食店が置いてけぼり」、逆に減税対象の弁当店からも「仕入値が上がって値下げできない」という声が出ていました。どちらも実感としてよくわかります。

御社にどう効いてくるか

1. 食品を扱っていない会社にも影響します

施行後、消費税は 10% / 1% / (2029年から再び)8% と並走します。来客用のお茶や贈答用の食品も1%で区分経理が必要になるため、業種を問わず会計ソフトの税率マスタと入力ルールの見直しが発生します。

2. レジ改修は「2回」来ます

2019年の軽減税率は一度で終わりでしたが、今回は下げる時と戻す時の2回。しかも1%という区分は既存システムに存在せず、単純な数値書き換えでは済まないケースが多い。物理レジをお使いなら、クラウド型への入れ替えで2回目のコストを消せます。

なお消費減税専用の補助金が検討中との情報があるため、公表前の本発注は避けたほうが賢明です。

3. 外食の9%差は、値付けではなく業態の問題

同じ弁当がスーパーで1%、店内で食べれば10%。微調整でどうにかなる差ではありません。テイクアウト比率、店内飲食の付加価値をどう再設計するかという話になります。外食向け支援策も検討中と報じられており、中身が出るまで大きな設備投資は待つのが今の合理的判断です。

4. 「値下げできない」は後ろめたいことではありません

税率が下がったぶんを本体価格に乗せることは制度上まったく問題ありません。ドイツの減税でも消費者に届いた効果は7割程度だったという報告があります。原価が上がり続ける中で値上げ余地が生まれるなら、使うのは正当な経営判断です。ただし値札の表示方法と説明の仕方だけは事前に整理を。

5. いちばん大きい論点:還付ポジションになる会社が出ます

食品小売・製造・弁当店などは**売上の消費税が1%**に下がる一方、家賃・光熱費・広告費・設備投資は10%のまま。結果、消費税が還付になる事業者が出てきます。

還付を受けられるのは本則課税だけです。簡易課税では還付はありません。

そして届出期限は適用したい課税期間の開始前日まで。

3月決算法人や個人事業主なら2027年3月31日です。

「来年の話」ではなく、今期の数字が出た時点でシミュレーションすべき話とお考えください。

いま、やっておくこと

  • 会計ソフトの1%税区分の対応可否をベンダーに確認
  • レジ・受発注システムの改修スケジュールを問い合わせ(2026年秋には相談開始が安全圏)
  • 飲食料品の売上・仕入がある場合、本則課税と簡易課税のどちらが有利か再計算
  • 簡易課税の選択・取りやめ届出の期限をカレンダーに登録

減税は歓迎すべきニュースですが、事業者から見れば「2年で2回の改修」「税率3本立ての経理」「9%の競争格差」がセットで来ます。

一番困るのは事業者で、もっと困るのは税理士かも知れませんね…

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 今週、M&Aの相談が1件ありました。

同業者同士で、お互いをよく知る社長同士の会社の売買です。

双方で売買に関する大枠の合意ができた上での相談になります。

会社の規模は数千万円レベル、不動産もなく、シンプルで小規模な売買です。

しかし双方に税金が関わってくる案件ですので、当然慎重に進めることになります。

早速、売り手企業の3期分の資料を預かり、簡易デューデリを進めることになりました。

今月中に資料を作成し、双方の合意を取り付けて契約まで持っていこうと思います。

4-2 ここ1年ほど、複数店舗を展開する飲食店の業務効率化をお手伝いしてきた会社があります。

レガシーな会計ソフトを使い、紙の資料に埋もれ、手入力に追われている経理業務でした。

そこにクラウド会計とクラウド給与ソフトへの移行、そして業務のデジタル化をお勧めし、1年かけて経理業務のDX化を進めてきました。

そこには他の税理士が関与していましたが、満を持して、今月から税務も含めて我々が関与することになりました。

クラウド会計とクラウド給与への移行がほぼ完成したタイミングですので、スムーズに税務にも入っていくことができます。

この会社には様々なアプリも作ってきましたが、アプリ単発でフィーをいただくのではなく、相応の顧問料を設定してその範囲内で対応していくことで合意しました。

今月から新店舗もオープンして会社の規模が拡大するのですが、クラウドと連携してDXを進めているので業務量が倍増することはなく、少しの手間で対応することができます。

これがまさに経理DXの賜物だと思います。

社長にはこの点を強調し、顧問料に反映させていただきました。

私も今後気を引き締めて対応していこうと思います。

5. 編集後記(食事、睡眠、運動など)

会社の経営数値と社長の健康数値。社長が管理すべき二大数値です。

自分自身の実践も含めて、短く共有していきます。

都内で蒸し暑い日々を送っています。

エアコンがないと夜は眠れません。

事務所でも家でもエアコンをつけるので、体調管理には良くないと思います。

満員電車とか地獄ですね。なるべく電車も乗らないようにしています。

ミーティングもオンラインに切り替えましょう。

いっそ夏の間はエアコンの不要な涼しい場所へ移住しようかと真剣に考えざるを得ません。

どこか良い場所があればどなたか教えてください。

それでは良い週末を。

SUBSCRIBE

リスルメールに登録する(週1・無料)

  • 配信内容:律する税理士コラム/利するニュース(財務・税務・AI)/利するマッチング/利する相談事例
  • 配信頻度:毎週金曜(週1回)
  • 配信停止:各メール末尾の「配信停止」からいつでも可能です
  • 配信者:株式会社レイルコンサルティング(監修:レイル税理士事務所)/送信元 rissle@raeil-net.com

確認メールのリンクを押す手続きは不要で、送信した時点で登録が完了します。同意の記録として、同意日時・登録元・この画面の同意文言の版(rissle-consent-v1)を配信システムに保存します。