レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.028

先輩税理士とのM&A事前ミーティング

2026.05.01

1. 律する税理士コラム(近況報告)

先日ご紹介した先輩税理士からのM&A相談で事務所訪問してきました。

対象のクライアントさんは同席せずに、まずは税理士同士での事前ミーティングを行いました。

その売却を希望している会社について、会議室にある大きなモニターに5期分の損益を映してもらいながら、簡単な会社の概要のブリーフィングをもらいました。

先輩税理士さんは自分のクライアントを売りに出すのは初めてだそうで、私の少ない経験を踏まえて、M&Aの流れについて私からもブリーフィングをしました。

一旦は会社の3期分の資料を預かり、それをもとに私が会社の評価額を簡易的に査定します。

おおよそいくらぐらいのレンジで売却を見込めると言う目安の金額を算出します。

これは決算書の数値をベースに簡易的に時価評価情報を入力することにより、おおよその金額を概算で算出するフォーマットがあるのでそれを活用します。

それをベースに説明資料を作成し、後日売却を希望する社長に先輩税理士と一緒に説明に行くことになります。

この評価額はあくまでも目安であって、必ずしもその金額で売却できるわけではありません。逆に言うとそれよりももっと高く売れる場合もあります。それはやはり相手があるので、買手の希望額とマッチする必要があります。

会社の評価方法にはいくつかの算定方法がありますが、中小規模の会社は「時価純資産額プラス営業利益の数年分」というのが一般的です。

この数年分と言うのは3年であったり5年であったりもし、ある程度の幅があります。もちろん売り手としては高く売れるに越した事はありません。

今回のミーティングでは、M&Aの流れについて確認をし、仮にうちが仲介を引き受けた場合の手数料規定についても説明をし、了承をいただきました。

後日売却希望の社長に説明をし、了解をいただければ晴れて仲介契約成立となります。

売却の仲介に入る際に、その会社の顧問税理士さんを味方につけることは必須条件となります。

税理士さんがその会社の数字について詳しく知っており、また、その社長からの信頼も厚いので、税理士さんのアドバイスが社長の決断に重要な影響を与えるからです。

まだ正式に預かったわけではありませんが、今からアプローチすべき買手についてもある程度の目算をつけておきます。

早速AIにこのような業種の会社を高く買ってくれる会社はどんな会社かと尋ねました。

その会社を買うことによって最大のシナジー効果を得ることができる会社に提案することにより、より高く買ってくれる可能性があるからです。

すかさずある程度の答えをAIが出してくれました。

これを参考にオファーする対象を絞っていこうと思います。

買手を探す順序としては、まずは自分の身近なクライアントかそのつながり、その次に全国にいる同業者ネットワークに声をかけようと思います。

そこで引っかからなければ提携しているM&A仲介会社やオンラインプラットフォームなどに載せることになります。もちろん相手が特定されないように匿名情報に限ります。

資料を早急に作成し、5月中には会社に説明行けるように準備しようと思います。

このメールは主に全国の同業者ネットワークに読んでいただいていますが、いずれはもっと読者が増え、このような案件情報を広く発信することにより、このネットワークを起点としたビジネス交流が増えることを描いています。

ビジネス上で得た有益な情報を、自分と関わりのある方々に広くご案内したいという思いがこのメールを始めたきっかけの一つでもあります。

まだまだ独りよがりのメールで恐縮ですが、そのうちいい情報を得られるかも知れません。

そういえば3年ほど前に小規模の税理士勉強会で、私がM&Aについて報告した際に、その先輩税理士が参加されていたのでした。

それでクライアントから売却の相談があったときに私を思い出して連絡してくれたとのことで、嬉しい限りです。

過去にいくつか蒔いていた種が、少しずつ実を結び始めつつあるような気がします。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 「M&A・事業承継時における経営者保証情報ネットワーク」の開設について(金融庁)

金融庁が、M&Aにおける経営者保証問題の解決に向けた情報共有のための金融機関ネットワークを、5月1日付けで開設しました。

M&Aにおいて、会社を売買したものの金融機関からの借入金についている個人保証を変更できずに困っているケースが多々あります。

一旦売却した後に金融機関と交渉することになるのですが、売却後に金融機関側が保証人の変更に応じないケースです。

買手側が遅滞なく借入金を返済すれば最悪問題にはならないかも知れませんが、返済が遅延したり返済できない場合には、会社を手放したにも関わらず借入金の連帯保証を問われるという問題が生じてしまいます。

日本は会社の借入金に個人保証を付ける慣行が根強く残っており、これが日本においてM&Aが円滑に進まない原因の一つと言われたりもします。

10年ほど前に「経営者保証ガイドライン(https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/)」が出てからは、一定の要件をクリアすることにより、経営者保証を外すことが可能になっています。

今回の措置によりどれくらいの効果があるのかはまだわかりませんが、国を上げたM&A推進の一環と見られます。

2-2 【独自】中小企業買収仲介に新資格 政府、悪質業者を排除(共同通信社)

本年度中の運用開始と書いていますが、来年の1月から2月にかけて始まるようです。

不動産の売買を仲介するのに宅建士という国家資格が必要なのに、不動産より多くの要素が絡み合う複雑な会社の売買の仲介を無資格でできるという現状が異常とも言えます。

数年前からM&A仲介会社の登録制度を出しては来ましたが、そんなのものともせずに自由に仲介をし、高額な手数料を請求したり、まともに経営する目的ではない買手を連れてきてトラブルになったりしています。

自称良貨としては悪貨に駆逐されないように、自己研鑽に励み真摯に対応し、資格取得も狙っていこうと思います。

2-3 スマートレジシステムの普及に向けた取組を強力に進めます(経産省)

政府官僚が、錦糸町の商店街を視察し、業界団体への協力を「強力に」依頼したそうです。

スマートレジシステムとは、タブレットはスマホなどの端末をレジとして利用する、モバイルPOSレジのことです。

IT後進国の日本でこれが普及するのにはまだまだ時間がかかるというのが私の実感です。

現金決済比率が高い、キャッシュレスの決済手数料が高い、現場でタブレットを使いこなせないなどハードルは高いです。

オーダーまではテーブルにあるQRコードからするのは一般的になりましたが、レジでの会計までは解決できていません。

都心の飲食店でランチタイムにレジが長蛇の列というのはよくある光景です。

回転率が勝負のランチどきにレジでの会計がボトルネックになっていると感じます。

複数人で来て個別会計で、さらにそれぞれ決済がクレジットカードに電子マネーと、やり取りしているのを横で聞いているだけでもストレスです。

それに比べて中国では、決済はQRコードがデフォルトになっており、アリペイかWeChatペイのいずれかであればどこでも決済が可能です。

飲食店でもテーブルに貼ってあるQRコードから注文し、決済も連動しているのどちらかのペイで会計もその場で完結します。

日本がこのレベルに行くにはあと数年はかかりそうです。

せめてレジと会計を連動して効率的に処理できるようにと、顧問先にはスマートレジシステムを勧め、クラウド会計も同時に提案をして連動できるようにしています。

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 フリーに続いてMoneyForwardもClaudeコードのMCPサーバーと繋げました。

これで二大クラウド会計であるfreeeとMoneyForwardの両方についてAIから指示をして会計を操作できるようになりました。

仕訳の登録、修正、削除など仕訳レベルの操作から、仕訳内容のチェックや財務数値のエクスポートなども可能になります。

この間いろいろいじってみているのですが、会計ソフトを触らずに会計を入力したり、修正したり出力したりするのが不思議な感覚です。

freeeやMoneyForwardには指定されたインポート形式があるにもかかわらず、クライアントからもらったExcelやCSVをそのまま投げたらバイブコーディングで頑張ってインポートしてくれます。

請求書から少し複雑な複合仕訳にする取引があったのですが、それも難なく学習して、請求書を投げたら仕訳を登録してくれました。

従来会計ソフトメーカーはいかにユーザーインタフェース(操作方法や使い勝手のこと)を良くするかや機能の多さで競って来ましたが、AIが操作するのならもはやどれでもいいような気もして来ました。

あとはAI費用との兼ね合いです。

AIのコーディングはそれなりに費用がかかり、限度を超えると追加料金がかかります。

今は可能性を探るべく色々と使っていますが、よりコスパの良い方法を考えていこうと思います。

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