レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.026

先輩税理士からM&Aの相談

2026.04.17

1. 律する税理士コラム(近況報告)

今週、税理士仲間の先輩から久しぶりに電話がありました。

自分の顧問先の会社で売却を検討している会社があるので、M&Aの相談に乗ってほしいとのことでした。

兼ねてから私がM&A仲介に力を入れている旨話しており、先輩税理士の顧問先でもし依頼があれば連絡をくださいと伝えていたところでした。早速日時を決めて今度会いに行くことにしました。

近年、経営者層の高齢化と、後継者不在問題でM&A仲介に対する需要が高まっています。

会社を引き継ぐと言えば、親から子や親族などに引き継がせるのが一般的ですが、子や親族が引き継がない場合は、その会社の役員や従業員などが引き継いだりもします。

従来日本では会社を商品のように市場で売り買いする慣行があまりありませんでしたが、近年は仲介業者も増え、ネット上におけるマッチングサイトなども充実してきており、徐々に一般化されつつあります。

会社のM&Aと言うとあまりイメージがわかないかもしれませんが、不動産の売買をイメージするとわかりやすいと思います。

不動産を売りたい場合、一般的には不動産業者へ連絡をし、いくらで売れそうかの相場を出してもらい買手を見つけてもらいます。

買手が見つかり、金額の折り合いがつけばそこで売買成立となります。その際、売手は不動産業者に一定の手数料を支払います。

これが会社のM&Aとなると、M&A仲介業者へ連絡をし、その業者が会計士などの専門家に依頼して会社の評価をし、買手を探してくることになります。

そして売買が成立すればその業者へ一定の手数料を支払います。

不動産は評価方法がある程度確立されているのに対して、会社の評価は様々な要素が絡み合うので、少し複雑になります。

また会社は従業員や取引先等の利害関係者が多く存在します。

売却先で従業員を引き継ぐのか、取引先と取引を継続するかどうかと言うのは重要な論点の1つです。

業者に支払う手数料についても、不動産は一般的には売買価格の3%に対してM&Aは会社ごとにまちまちです。

一般的には売買価格の数%ですが、10%に設定したり、少額の売買であっても最低手数料を1千万円に設定したりするところは少なくありません。

また、不動産売買を仲介するには宅建士と言う国家資格が求められますが、現状でM&Aの仲介は特別な知識や資格がなくてもできてしまいます。

多くの業者が参入するのも納得です。

誰でも参入できてしまうので、多くのトラブルが生じており、社会的な問題にもなっております。そこで国はやっと来年から資格制度を出してくるそうです。

しかし会社を買いたいと言う業者は多くても、売りたいと言う会社がなかなか市場に出てきません。

多くの中小企業の社長たちは自分の会社が果たして第三者に売れると認識しておらず、また天塩にかけて育ててきた自分の会社を、見ず知らずの人に売却するのに抵抗があったりするようです。

新規参入業者の多くは、買手を紹介して手数料だけもらって後は知りませんとなるので、アフターフォローなどなく、税金やその後の対応に対して社長が顧問税理士に泣きつくというケースが後を絶ちません。

そこで社長の1番の相談相手である顧問税理士の役割が重要になってきます。

税理士はその企業の数字を把握するのみならず、オーナー社長の家族構成や後継者がいない事情についてもよく知っています。

しかし税理士だからとM&Aに詳しいとは限らず、多くの場合そのようなネットワークも持っていません。顧問先同士をつなげるケースはたまにあるようです。

会社と社長の状況をよく知っている顧問税理士が適切なタイミングで社長に提言をし、適切な買手を探し、M&Aをサポートしてあげることができれば、社長やその家族から、そして引き続き働く従業員さん達や取引先からも感謝をされることでしょう。

会社を高く売るためにも、社長の身体が悪くなったり、どうしようもない状況になって売却を検討するのではなく、将来の売却に向けてあらかじめ準備をすることが必要になります。

顧問税理士として会社をM&Aしてしまうと、顧問先が減ってしまうのではないかと懸念する人もいると思いますが、売却先でもその会社に対してよく知っている税理士に引き続き顧問をお願いするケースもあります。

私もそこまでM&Aの経験が多いわけではありませんが、数年前から関心を持って継続的に学習をし、関連資格も取得し少しずつ経験を積み重ね、また売買情報のマッチングをすべくネットワークを広げてきております。

今回来た相談案件などを一つ一つ対応し、経験を積み上げてより幅広いネットワークを持ち、M&A仲介に真摯に対応していきたいと思います。

会社を買いたい・売りたいという情報がありましたら是非ご一報いただけたらと思います。

売買が成立した際には一定の紹介手数料をお約束いたします。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 士業の倒産、2年連続最多(東京商工リサーチ)

タイトルを見て私も少し胸がざわつきました。

他人事ではないですね。

倒産原因は、売上不振、代表死亡そしてコンプライアンス違反です。

士業である代表者が高齢化や病気などで事業が継続できなくなると、それで試合終了となってしまいます。

最近では士業の高齢化に伴い、士業事務所のM&Aも活発だと聞きます。

そのため健康には気を使い、コンプライアンスをしっかり守ったうえで、元気なうちに攻めて行こうと思います。

2-2 日本語能力の証明要件に 専門職在留資格「技人国」(共同通信社)

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(出入国在留管理庁)

外国人の就労ビザのひとつである「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)」ビザについて、従来は日本語の能力証明は必要ありませんでしたが、日本語を使う業務に就く場合は原則として、日本語能力試験のN2が必要とされました。

新たに来日して技人国を申請する人が対象となります。

経営管理ビザの要件厳格化、特定技能の外食業分野における申請受付停止など、外国人に対する規制が全般的に強化されています。

2-3 中小企業省力化投資補助事業(一般型)第6回の申請受付を開始しました(中小企業庁)

中小企業省力化投資補助金

中小企業が生産性向上のために設備投資をする場合に一定の補助金が支給されます。

従業員数の規模に応じて補助上限額が設定されており、中小企業は1/2、小規模事業者の場合は2/3が投資額に対して補助されます。

事業概要

生産・業務プロセス、サービス提供方法の省力化を行う者

基本要件

  • 労働生産性の年平均成長率+4.0%以上増加
  • 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%(日本銀行が定める「物価安定の目標」+1.5%)以上増加
  • 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)

その他要件

  • 補助事業者の業務領域・導入環境において、当該事業計画により業務量が削減される割合を示す省力化効果が見込まれる事業計画を策定すること
  • 事業計画上の投資回収期間を根拠資料とともに提出すること
  • 3~5年の事業計画期間内に、補助事業において、設備投資前と比較して付加価値額が増加する事業計画を策定すること
  • 人手不足の解消に向けて、オーダーメイド設備等の導入等を行う事業計画を策定すること

補助上限額

  • 5人以下 750万円(1,000万円)
  • 6~20人 1,500万円(2,000万円)
  • 21~50人 3,000万円(4,000万円)
  • 51~100人 5,000万円(6,500万円)
  • 101人以上 8,000万円(1億円)

対象経費

機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、 専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 廃業支援

廃業支援についてその後事業パートナーと顧問先との間で契約書を交わしました。

契約はオンラインで締結し、手数料の支払いも完了したので、これから本格的に廃業支援に入っていくことになります。

4-2 リスケのための経営改善計画書を作成し、中小企業活性化協議会から申請が受理されました。

顧問先で資金繰りが厳しくなった会社があり、銀行に対してリスケ(リスケジュール)をお願いしていたところ、経営改善計画書の作成を求められたので、認定支援機関として作成に関与し、申請書を提出していました。

それに対して中小企業活性化協議会から申請が受理されたとの通知がありました。

これにより計画書作成にかかる費用の一部(2/3)を協議会が負担してくれます。

認定支援機関として受理されるのはこれで2回目となります。

記念すべき1回目に受理(約7年前)された会社が、上述の廃業支援に入った会社であったりします。

経営改善計画書を作成して受理されたからといって必ず再生できるとは限りませんが、しっかりと伴走支援していきたいと思います。

4-3 ClaudeのClaude in Chrome拡張機能でe-Taxにログインして、お知らせから確定申告のお知らせのPDFを保存する

法人の決算が近づくと、従来は確定申告のお知らせが書類で郵送されてきていました。

そこに法人税や消費税の予定納税の金額が記載されているので、それを申告の際に確認をしていました。

それが近年は書類で郵送されずにe-Taxのお知らせに格納されるので、毎回それを確認する必要がありました。

それを以前AIを使って自動化しようと試みましたが、Pythonなどのプログラミングではe-Taxにログインしようとすると弾かれるので自動化ができませんでした。

それが、ClaudeのClaude in Chrome拡張機能を使うと、プログラミングからアクセスするのではなく、AIがChromeブラウザを直接操作するので、e-Taxに弾かれることなく、指定した顧問先の利用者識別番号と暗証番号をNotionから取得し、それをe-Taxに自動的に入力してログインし、お知らせの中から指定する案内のPDFファイルをダウンロードするのに成功しました。

今後は決算が近づくと自動的にダウンロードして指定するGoogleドライブのフォルダに保存できるようにしようと思います。

SUBSCRIBE

リスルメールに登録する(週1・無料)

  • 配信内容:律する税理士コラム/利するニュース(財務・税務・AI)/利するマッチング/利する相談事例
  • 配信頻度:毎週金曜(週1回)
  • 配信停止:各メール末尾の「配信停止」からいつでも可能です
  • 配信者:株式会社レイルコンサルティング(監修:レイル税理士事務所)/送信元 rissle@raeil-net.com

確認メールのリンクを押す手続きは不要で、送信した時点で登録が完了します。同意の記録として、同意日時・登録元・この画面の同意文言の版(rissle-consent-v1)を配信システムに保存します。