レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.025

税務調査の連絡が1件

2026.04.10

1. 律する税理士コラム(近況報告)

今週は税務調査の連絡が1件ありました。

地方で建設業をしている個人事業主です。

ここ数年確定申告の相談を受けていて、税務代理権限証書はつけていませんが、内容を確認しアドバイスをしていました。

今年3月の申告時に数字が大きく変動したので、そろそろ来るかもしれないですねと話していた矢先でした。

税務調査を受けるのは初めてなので、大変戸惑っている様子です。

税務署から調査をしたいと連絡が来たんですが、どうしたらいいでしょうかと。

長年事業を経営している人は別としても、税務調査に慣れている事業主はそんなに多くはないでしょう。ほとんどは不安で心配で気が気じゃないと思います。

何も悪いことをしていなくても、調査をされるというのは穏やかなものではありません。

来週の日程を指定されたけどその日しかダメなのか、調査場所は自宅じゃないとダメなのか、領収書に宛名が書いていないのがあるけど大丈夫なのか、事業に関係のないプライベートなところまで聞かれたらどうすればいいのかなど、全てがわからないことだらけです。

そういう場面で税理士が登場します。

税務調査は納税者以外の第三者の立会を原則として認めませんが、税理士のみが納税者の税務代理人として立会うことができます。

場合によっては記帳代行などをしている人が記帳補助者として同席したりもします。

必要であれば税理士として私が立会をすることも可能だと告げると、ぜひお願いしますと依頼をされました。

事業主が税理士に立会を依頼する旨を税務署に連絡をすると、今まで高圧的だった税務署職員の態度が明らかに変わったと言っていました。

すかさずe-Taxで税務代理権限証書を提出し、税務署と連絡をしました。

税務代理権限証書を出すことで税理士が納税者の税務代理人として、納税者に代わってやり取りをすることになります。

税務署は来週にでも来たいと言っていましたが、4月は予定が埋まっているので、5月の上旬に変更してもらうよう依頼をし、場所も自宅ではなく事務所に変更するように調整をしました。

税務署は、税務調査をする場合、原則的に本人または税理士に事前に通知をする必要があります。

例外的に事前通知なしで、いきなり会社や自宅へ行く場合がありますが、それは過去の調査結果などから事前通知をすると隠蔽するおそれがあるなどよほど癖の悪い納税者に限られます。

現金商売だからと事前通知なしで来る場合がありますが、原則どおり事前通知をして出直してきてと追い返してください。

15年ほど前に法律が整備されてからはだいぶ減っている模様です。

ちなみに国税局査察部(いわゆるマルサ)による調査は強制調査なので強制的に受ける必要がありますが、一般的な税務調査は任意調査で、受任義務があるので断ることはできませんが日時や場所などは協議の上ある程度柔軟に変更することができます。

税務調査対応は税理士にとって見せどころの一つと言いましょうか。

調査対応いかんでより一層の信頼を得ることにもなれば、下手な対応により信頼を失うことにもなります。

しっかりと準備し、対応しようと思います。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 『マネーフォワード AI Cowork』

クラウド会計freeeに比べてAI対応において遅れを取っていると言われていたマネーフォワードが巻き返してきた感があります。

仕事の同僚のことを英語でCoworker(コワーカー)と言いますが、AIが同僚のようにバックオフィス業務をこなすそうです。

今年の7月から提供予定で、価格や具体的な内容はよくわかりません。

会計の入力や各種資料の出力、分析なども今後はAIが自律的にこなすようになりそうです。

それでは税理士などの専門家は不要になるのか。

現時点において、まだまだ必要な存在だと思います。

仮にAIを使って自社で全て完結したとして、それを信頼して申告するでしょうか。

それに対して税務調査が来て調査官に質問されたら、AIに質問して回答するのでしょうか。

AIが答えを出したとしてもそれが正しいのか、それをどのように解釈して行動に移すのか。

人は同じことを言われても誰に言われるのかで受け止め方が違うように、AIの答えを鵜呑みにするのではなく、それを元に信頼できる専門家のアドバイスを聞いて納得したときに行動に移すのだと思います。

したがってAIを理解して使いこなし、顧客に信頼される専門家というポジションは今まで以上に必要とされる存在だと思います。

時代の流れに遅れを取らず、時代の荒波をAIを駆使して乗り越えていきましょう。

2-2 日本の食輸出1万者支援プログラムを始動します(経産省)

経産省、中小企業庁やJETROなどが連携して、日本の農林水産物と食品の輸出を拡大するプログラムを開始します。

政府は2030年までに輸出額を5兆円にするという目標を掲げています。

円安のなか、縮小しゆく国内市場だけでなく積極的に海外市場を攻めるのは必要な取り組みだと思います。

2-3 大手証券会社、顧客の相続手続き一元化へ 秋にも新会社設立(毎日新聞)

大手証券会社や金融機関が協力して、顧客の相続時の手続きをオンラインで一元化するという新たな仕組みを作るそうです。

相続手続きで相続人の預金を相続する際に、銀行ごとに面倒な書類を提出する必要があり非常に面倒です。

それを相続人がオンライン上で一度入力すれば、他の金融機関でも使えることになり、便利になるそうです。

早く便利になってほしいものです。

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 経理DX支援

前回直前で決算と申告を依頼されたクライアントに対して、申告が無事終わったので、今後の処理方法について提案を行ってきました。

ー従来

  • 年配の税理士
  • 紙の資料を渡して会計を入力してもらう
  • 給料はエクセルで計算
  • 年末調整も紙ベース
  • 銀行はみずほとゆうちょのネットバンキングをつかっているが手数料が高いのでATMで都度振込
  • 税金は納付書で銀行窓口納付

ー今回の提案

  • クラウドの会計と給与を導入(今回はMFのビジネスプラン)
  • みずほとゆうちょの他にネット系銀行を開設して今後はそちらで振込む(手数料が安く使い勝手が良い)
  • ダイレクト納付(税金の口座振替)の届出を国税と地方税ともに提出
  • 税理士顧問料もついでに口座振替設定
  • 今後もらった資料はスキャンしてPDFで保存する

上記を提案したところ社長は快く承認してくださり、事務員さんも少し戸惑っている様子ですが、初期設定や使い方などこちらで全て対応すると伝えて安心してもらいました。

ネット系銀行は既に住信SBIネット銀行を開設だけはしていたが使っていなかったそうなので、その場で3行とも会計に紐づけ、今後はみずほに入金された売上を資金移動して、振込は全て住信SBIから振込むようにしました。

給与もその場で基本情報を設定し、従業員の基本情報、扶養、社会保険、振込口座などを設定しました。

今後は会計と給与をクラウドで処理し、経費精算や年末調整などもクラウドで完結するようにしていきます。

それとは別に、請求書の発行もエクセルでしており、集計作業にかなりの時間と労力をかけているようで、今後はその作業ももっと楽にしましょうと、こちらで一旦預かって改めて提案することにしました。

3ヶ月後の事務員さんの感想が楽しみです。

4-2 廃業支援

先週お伝えした廃業案件について、事業パートナーの松本社長と早速ミーティングをしました。

支援内容と支援スケジュールについて大まかな合意を見てかかるコストも提示され、それを社長に説明したところ、是非それで支援をお願いしたいとなったので、これから契約書を交わしたうえで事前調査に入り、具体的な支援がスタートします。

他社の支援に携わったことはありますが、自社の顧問先に対する支援は初めてなので、支援の現場をリアルで学べる良い機会でもあり、しっかりと共にサポートしようと思います。

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