東北のクライアントを訪ねて
1. 律する税理士コラム(近況報告)
今週は東北にあるクライアントの会社に来ています。
10年ほど前に先輩税理士から引き継いだ会社で、すでに多額の借金を抱えていた会社でした。
50年近く砂利採取業を安定的に営んできましたが、バブル期に親族がパチンコ経営に手を出し、放漫経営をした末に多額の負債だけ残して他界し、その負債を背負ったまま現社長が本業の利益からコツコツと継続して返済をしていました。
顧問料もほとんどボランティアのような金額で、年に1回だけ決算で現地に行くというような関与でした。
リスケの際には認定支援機関として経営改善計画書も作成しました。
経営者が高齢(70代後半)で後継者がいなく(一人娘は開業医)、設備も老朽化して事業の継続を悩んでいたところでしたが、いよいよ限界を感じ年内の廃業を決心されました。
2年前に奥さんが他界し、相続税申告や諸々の手続きが落ち着いたタイミングで決心された模様です。
私も数年前から廃業・売却先の検討を勧めていたところでした。
先週社長から相談したいと連絡がありすぐ日程を決めて現地に入りました。そして同時に強力な助っ人に連絡をしました。
事業パートナー(https://saisei-jigyo-no1.com/)の松本社長です。
事業パートナーは事業再生の業界でトップクラスの実績を持つコンサルティング会社です。全国に経験のある弁護士、税理士、診断士スタッフを数十人抱え、数百社の再生実績を誇っています。
事業パートナーは何が何でも依頼人を守り抜くと言う、ゴルゴ13のような仕事師集団です。
社長を絶対自己破産させず、社長家族や自宅も守り抜くというスタンスで、実際にそれを実現させます。
私もその理念と実行力に感銘を受け、税理士になってすぐその門戸をたたき、定期的な勉強会に参加しつつ何度か事業再生プロジェクトのメンバーとして事業再生の支援もし、事業再生の理論と実践を学んできました。
現地入りをしてその松本社長とオンラインで繋ぎました。
オンラインミーティングではこれから正式に廃業支援に入るという大まかな方向性を確認し、今後細かいところを詰めていくことで合意を見ました。
社長は最悪自己破産も検討していると言いましたが、絶対に自己破産する必要などないと言う松本社長の強い言葉に社長も少し安心をした模様です。
現地ではその後、廃業するという噂を聞きつけて(田舎なので噂が早い)、在庫や設備などを買いたいと言う業者が2社手を挙げており、その2社との面談にも同席しました。
この業界に入って、多くの社長達と付き合ってきましたが、借金を苦に極端な選択をしたり、自己破産をしたり、夜逃げをしたりした人たちを数多く見てきました。
私が税理士して関与する以上は、自分のクライアントの社長たちに決してそのような選択をして欲しくない、そうならないために税務申告だけを請け負うのではなく、経営方針や事業承継などにも積極的にコミットしていけるための知識と経験を身につけたいと日々強く思っています。
現状で事業再生の分野に関しては、事業パートナーの右に出る者はおそらくいないでしょう。
事業パートナーというプロの力を借りながら、この会社の廃業をうまく着地させ、社長を早くラクにさせてあげたいと言う思いが強いです。
年内にはうまく着地させたいと思っています。
お酒とカラオケが好きな社長で、夜は現地でおいしいものを食べた後に(場末の)スナックでお酒を飲みながらのカラオケ大会が定番コースです。
今年はその回数が少し増えそうです。
2. 利するニュース(財務・税務・AI)
財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。
税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。
2-1 特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について(出入国在留管理庁)
外国人材の上限到達迫る…外食業の特定技能1号、来月受け入れ停止の影響度(日刊工業新聞)
特定技能「外食業」の新規申請が4月13日から原則停止となりました。
特定技能ビザは、人手不足分野に外国人を労働力として受け入れるための在留資格で、2019年にスタートしました。
当初2028年を目標に5万人を上限に受け入れるとしましたが、2026年2月現在で46,000人となっており、5月頃には5万人を超えることが予想されるということで、今回の措置が公表されました。
ー4月13日以降に変わること
4月13日以降に受理された在留資格認定証明書の交付申請は不交付となります。
在留資格変更許可申請についても、4月13日以降に受理されたものは原則不許可となります。
ー審査が継続されるケース
以下の申請は引き続き審査対象となります。
1 技能実習を修了し、特定技能1号(外食業分野)に移行する人
2 すでに外食業分野にかかる特定活動(特定技能1号移行準備)の許可を受けていて、特定技能1号(外食業分野)に移行する人
今回の措置で、外食業における人手不足はより深刻になることが予想されます。
引き続き就労ビザ関連の動きに注目していきます。
2-2 2025年度「焼肉店」の倒産 2年連続で過去最多の57件 輸入牛肉の高騰と大手参入で、中小・零細店の苦境続く(東京商工リサーチ)
「イタメシ」「韓国料理」など専門料理店の倒産最多 ~ インバウンドの取りこぼしと輸入食材の高騰 ~
焼肉店、韓国料理は良く行くので気になる記事。
いずれも円安による輸入食材の高騰が大きく影響しています。
不安定な情勢で今後好転するどころかさらに悪化するとの見込みの方が大きい中、環境の変化に迅速に対応した経営が求められそうです。
2-3 令和7年度補正中小企業活性化・事業承継総合緊急支援事業(中小M&A資格試験実施事業)に係る企画競争の募集を開始します(中小企業庁)
中小企業庁が「中小M&A資格試験」を新たにスタートさせます。
これは試験を実施する委託先を募集するという記事ですが、募集要領に試験の概要が大まかに記載されています。
以下ポイントをピックアップします。
試験は毎年1月ー2月の2、3日間の年1回を想定しており、令和8年が初試験になりそうです。
試験形式はCBT方式で、4択か5択の選択式問題。
試験科目はM&A実務(M&A市場動向、中小企業政策含む)、財務・税務、法務、倫理・行動規範の4つで、全60問を120分以内に回答する。
合格基準は70ー80%程度の得点率で、科目ごとに最低基準(50%程度)を設定する
想定される受験者は、M&A専門業者又は支援機関(金融機関、士業等専門家、M&Aプラットフォーム等)に所属する仲介・FA業務に関わる者、並びに今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者
当面は国家資格ではなさそうですが、今後の需要増加と悪質な業者を排除するためにも、試験のあり方については継続して検討する模様です。
以下の資料も参考になります。
3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)
このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。
4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)
寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。
このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。
4-1 マネーフォワード(MF)クラウドとの共同推進プログラム
うちはfreee認定アドバイザーもしていますが、マネーフォワードクラウド会計の公認メンバーでもあります。
クラウド会計業界のツートップをガシガシと使いこなして行くつもりです。
どちらに肩入れするわけではなく、クライアントのタイプに応じて適切なものを提案しようと思います。
既存の弥生会計ユーザーにはどちらかというとユーザーインタフェースが近いMFを提案しようと思っていたところ、MFの担当者から「顧問先DX化共同推進プログラム」というのを提案され、うちに専属スタッフがついてサポートしてくれるそうです。
既存ソフトからの移行や給与ソフトの初期設定などのかゆいところを専属スタッフが助けてくれるそうで、顧問先のDX化が進めやすくなりそうです。
クラウド会計を導入した経理DXに興味がある方はご一報ください。
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