確定申告が一段落、韓国へ
1. 律する税理士コラム(近況報告)
今週月曜で個人の確定申告は一段落しました。
そしてひと息つく間も無く韓国に来ています。
かねてから構想していたプロジェクトのためです。
「日韓クロスボーダープロジェクト」
簡単に言うと、日本から韓国に進出する企業と、反対に韓国から日本に進出する企業の双方を対象にサポートするというものです。
またオムは一体何を企んでいるのか。
そんな声が聞こえてきそうです。
今さら韓国ですか、日本より景気悪いですよ、詐欺師ばっかりですよ、騙されて帰ってくるのがオチですよ、そんな声を実際に聞きました。
それらに対する私の考えを整理してみます。
なぜ今さらなのか。
私が税理士事務所を開業してから、先月で丸6年を迎え7年目に突入しました。
コロナ禍で開業し、身近なクライアントたちのニーズに応えるべく、着の身着のままで駆け抜けてきた感じで、戦略的な経営とは程遠い場当たり的な事務所運営をしてきました。
そろそろ依頼が来た案件だけを受ける状態から、自分が興味と関心がある分野、自分の強みを最大限に活かせる分野を探し、能動的に攻めて行く段階に来たような気がしています。
なぜ韓国なのか。
一つは韓国の状況の変化があります。
私はここ10年ほど、家ではテレビを一切見ない代わりに、毎日オンラインで韓国のニュースや時事プログラムを視聴しています。
ニュースはMBCやJTBCなどのいわゆる進歩系メディア、時事プログラムはキムオジュンのニュース工場やメブルショーなどで、日本の政治家よりも韓国の政治家や放送人の名前を知っていると思います。(朝鮮中央通信と自主時報なども毎日チェックしています笑)
崔順実ゲートからの「ろうそく革命」、12.3クーデターからの「光の革命」、それによる二度の大統領弾劾と政権交代劇を画面越しにリアルタイムで見ました。
時事プログラムでは政治ネタのみならず経済や社会問題なども取り上げるので、日本で暮らしていますがそれなりに韓国には通じていると自負しています。(映画、ドラマにK-POPもそこそこ詳しいです)
振り返ってみるとこのような自分の行動スタイルも、税理士を勉強している過程でいつの日か税理士として自身のルーツである韓国をもビジネスフィールドとすることを想い描き、意識的に精通するためにしていた行動だったのかなとこのメールを書きながら気づきました。(準備期間10年以上!)
日本と韓国の経済を比較して見るとき、近代史にのみフォーカスするならば、日本が先に発展し韓国はその後を追うという構図であったように思います。それが2020年代に入って一人当たり名目GDPでは韓国が日本を超えています。
それだけを持って判断するのは拙速ですが、世界的な広がりを見せているK-Drama、K-POPやK-Foodなどへの熱気を見ても、韓国の文化に対する世界的な認知が高まっているように思います。
文化への認知、人気は自ずと経済にも影響を及ぼします。
私はこの流れは当分続くと見ており、失われ続けている日本経済と比べても成長の可能性を感じます。
もう一つは、日本の状況です。
ご存知のように株価や不動産価格は高値を示しているものの、円安による物価の上昇、少子高齢化による人手不足、金利の上昇不安などで経営環境は不安定な状況です。
株高と不動産高もそろそろ何か起きそうな予感がしますし、今後起こるであろう大地震などの災害リスクも考えると、リスクに備えて準備をしなければならないと頭の中でアラートが鳴っています。
つまり、生活とビジネスの拠点を日本だけに限らずに他に分散しておく必要があると思っています。何かが起きたとき、それまで準備をしていたかどうかで、動ける人と動けない人に分かれると思います。
では日本以外にどこが安全なのかと聞かれても答えはありませんが一番身近な隣国であり文化も近く言葉もわかる韓国は選択肢の一つとして検討する価値はあると思います。
日本にいながら候補地にどこが良いかと探しても答えは出ないので、自分の目と足で直接行って見て確かめるしかないと思います。
詐欺師ばっかりだよという忠告には否定できない側面もありますが、どの国にも良い人悪い人はいるものでそれは日本も同じでしょう。
このように韓国と日本の状況を踏まえたうえで、日本で生まれ育った在日コリアンとしての自分のルーツと向き合い、言葉のみならず日本とコリア両方の文化や歴史と社会を理解し、決してナショナリズムを煽ることなく、共生を目指す立場で双方の橋渡し役、国境を超越するビジネスパートナーとしてのポジションを目指す。
クロスボーダーで活躍する企業人が増えれば自ずと国際税務に対する知見が必要になるのでそこをクロスボーダー税理士としてサポートする。
韓国を皮切りに中華圏や東南アジアも視野に可能性を広げていく。
これが当面の方向性です。
税理士だけの生きる道を探すのではなく、方向性に共感してくれる仲間たちをサポートしながら彼らと共に行きたい。クライアントが成長してこそ税理士のニーズが生まれるものですから。
日韓双方の国内環境が厳しくとも、マイナスにマイナスを掛け合わせるとプラスになるように、日韓をクロスボーダーしてプラスのエネルギーに変換して新しい価値を生み出すのを目指します。
このメールで何度か登場した韓国人クライアントとの経験、外資系税理士法人における韓国人クライアントとのオンラインミーティングなどを通して、ネイティブ韓国人たちとも税務に関して十分にコミュニケーションができた経験も自信につながっています。
新規事業を始める上て、全ての準備が整ってから始めるのに越したことはないですが、やってみなくてはわからないことがたくさんある中で、まずはスタートして走りながら軌道修正をするのが重要と思います。
はたして市場を切り拓くことができるのか。
はたまた夢破れてそそくさと撤退するのか。
成功も失敗も洗いざらいこのリスルメールで晒していこうと思います。
その経験を過程も含めて皆さんの気づきにつながれば。
Only on Rissle mail.
2. 利するニュース(財務・税務・AI)
財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。
税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。
2-1 法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて(厚労省)
最近問題となっていた、一般社団法人を利用した国保逃れスキームが早速封じられました。
「社会保険料を削減できる」と謳い、個人事業主・フリーランスを形式的に法人役員に就任させ、社会保険(健康保険・厚生年金)へ加入させる一方、その役員報酬を上回る「会費」等を徴収するスキームが横行していました。
厚労省はこうした事例に対応するための取扱い基準を明確化する通知を出しました。
ポイント1:役員報酬を上回る会費等の支払いがある場合は原則アウト
個人事業主等が法人に対して、役員報酬を上回る会費等を支払っている場合は、「業務の対価としての経常的な報酬の支払い」があるとは認められず、原則として被保険者資格なしと判断されます。関連法人への会費支払いが実質的な条件となっている場合も同様です。
ポイント2:役員業務の「実態」が問われる
以下のような場合は、経営参画を内容とする経常的な労務提供とは認められません。
- アンケート回答・勉強会参加など単なる自己研さんにとどまるもの
- 活動報告・情報共有のみで、具体的な指揮監督・権限行使がないもの
- 事業紹介への単なる協力にすぎず、労務提供義務を負っていないもの
実態確認では「指揮命令権の有無」「決裁権の有無」「役員会への出席頻度・それ以外の業務の有無」等が総合的に判断されます。
使用実態がないことが確認された場合は、資格喪失届の提出が求められます。
過去に加入させていたケースも遡及的に問題となる可能性があります。
こうした「社保削減スキーム」などの甘い誘惑には必ずリスクが伴うことを認識して乗らないようにしましょう。
2-2 親日国家ベトナム『日本に憧れるが、出稼ぎ先は日本から韓国・中国にシフト』
日本で働く外国人のうち一番多いのがベトナム人なんですね。250万人のうちの約25%の60万人近く。その次が中国で約40万人。その後はフィリピン、インドネシアにミャンマーと続きます。
「最近では韓国への出稼ぎが増えているという。韓国は日本よりも賃金水準が高いが、一方で韓国人によるハラスメントが酷く、ベトナム人を見下すような職場風土が問題視されている」とありますが、韓国人のハラスメントは、さもありなんという感じです。
また、「ダナン校では2年前には500人以上生徒が通学していたが現在は200人程度に減少。他方でやはり韓国語・中国語学校が生徒数を増やしているとのこと。それゆえダナンの日本語学校は過去数年で大半が廃業したとのこと」とあり、日本の衰退と日本より賃金の高い韓国や中国にシフトしている現状は、日本にいるとなかなか気づかないですね。
2-3 海外旅行未経験どころか直近1年で県外移動ゼロ……年収300万円未満層にみる“移動の固定化”(ダイヤモンドオンライン)
「移動格差」なるキーワードを使い、移動できる人と移動できない人で格差が生まれている実態についての記事(書籍の抜粋)。
移動できる人は移動で自由を謳歌したりさらにビジネスを広げたりする一方で、移動できない人はそれが原因なのかその結果なのか、いずれにせよ低年収の比率が高いという。
移動できずに低年収のままでの辿り着く末は、海外への出稼ぎとして移動せざるを得なくなるというブラックジョークにならないためにも、今のうちに頑張って移動しなければと思います。
3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)
このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。
4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)
寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。
このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。
4-1 全てにおいてレッドオーシャンな韓国
今回は金浦空港の近くに位置するプチョン(京畿道富川市)に来ています。
日本でベトナム人の人材派遣をしている会社と繋がり、韓国でも同じ事業をしていて毎月韓国に行っている人がいるのでその人のお世話になっています。
プチョンにある事務所にお邪魔し、運よく商談や会食などに図々しくも同席させていただきました。
外国人誘致に乗り出したいという江南の眼科医、化粧品を扱っていて日本市場を攻めたいという社長、プチョンの不動産会社社長などと繋がり情報交換しました。
私が税理士の他に行政書士でもある旨伝えるとむしろそちらに食いついてきて、韓国から日本に進出する際に必ずハードルになるのがビザであると言っていました。
これから韓国市場も攻めようと思っていると伝えると、韓国は競争が熾烈で全ての分野がレッドオーシャンだよと、その不動産会社社長は優しく忠告してくれました。
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