個人の確定申告ラストスパート
1. 律する税理士コラム(近況報告)
今週は個人の確定申告のラストスパート期間でした。
先週と同じく事務所にこもりきりでひたすら作業をこなしていました。
韓国人の確定申告が一段落したかと思えば、イレギュラーな案件が次々と舞い降りてきててんやわんやしていました。
こちらに依頼が来た経緯としては、国税庁のHPから自分で申告していたが、税理士を通して出したいからというもの、贈与や譲渡があったので税理士にちゃんと計算してもらいたいというもの、韓国語が話せる税理士さんにお願いしたいという韓国人からのもの、そしてとどめは、今まで依頼していた税理士さんが重病でできなくなったので法人二社の決算(うち1社は3月提出!)と共に個人申告もお願いというものでした。
申告期限ギリギリのタイミングで依頼が来てもできませんと断る税理士は多いと思います。誰しもギリギリの仕事などなるべくしたくはないでしょう。
なんでもっと早く来てくれないんですかと言いたい気持ちは山々ですが、人それぞれに事情はあるもので、よっぽどのことがない以上は何とか依頼者の期待に応えようと思います。
税理士と言う資格を取った以上、この資格を活用してより多くの困っている人たちの力になりたい言う思いが根底にあるのかもしれません。
そのかわり、負荷が増える分報酬を高めにもらおうと思いますが、仕事柄相手の懐事情が見えてしまうので、なかなかそうもいかないケースが多いです。(懐事情が良い人からはもらいます)
急な依頼にもかかわらず処理してくれたことに対して受ける感謝と、自分自身の経験値獲得を報酬とみなすこととします。
このメールを読んでくれている税理士さんたちは多分共感していただけることと思います。
個人の確定申告期限は通常3月15日ですが、日曜日なので16日月曜日が期限になります。なんとか今日時点で全て一段落しました。
そして最後に残ったのが私自身の申告というオチです。
自分を後回しにして他者を優先すると言えば聞こえはいいですね、人それぞれに事情はあるものです。
2. 利するニュース(財務・税務・AI)
財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。
税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。
2-1 2026年2月の「飲食業」倒産 1.3倍増の83件 小・零細規模が9割超、コストアップが経営直撃(東京商工リサーチ)
飲食業の倒産件数が増加傾向にあります。
2月の倒産が83件と、3ヶ月連続で前年同月比を上回っているそうです。
食材の高騰による物価高、人手不足による人件費高が主な原因に上げられています。
地域別で見ると近畿が最多で関東、中部と続きます。
厳しい経営環境のなか、値段を上げる、メニューを変える、IT・AIを導入してオペレーションを効率化する、などの対策を練る必要があるでしょう。
2-2 KPMGジャパン、AIエージェント管理態勢構築支援サービスを本格展開(KPMG)
4大監査法人のひとつであるKPMGが新たなサービスを展開するという記事。
世界的に監査業界はAIの登場により人員がリストラされるというニュースが続いていました。そんななかAIの登場を奇貨として新たなサービスを出してきたなと言う印象です。
サービスの内容は、「KPMGインターナショナルが構築した「KPMG Trusted AI」フレームワーク、日本国内をはじめとした各国政府や公的機関が発行する指針・ガイドライン、進展する法制化動向等をアドバイザリーに取り入れ、企業のAIガバナンス構築を支援」するとあります。
また、「各企業の構築するAIガバナンスに多種多様なリスクを抱えるAIエージェントの要素を追加し、管理態勢を高度化するもの」としています。
大企業ではなくても、小規模企業に対してもAIの導入・活用をサポートするサービスは需要がありそうです。
2-3 デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました(中小企業庁)
従来のIT導入補助金が、名称を変えて今年も継続されています。
対象となるITツールにAIツールも含まれるようになり、内容は従来と大きく変わりはありません。
3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)
このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。
4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)
寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。
このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。
4-1 元帳データからの決算作業
今まで依頼していた税理士さんが重病にかかり急遽申告できなくてこちらに回ってきた件
可能な限り資料をくださいと言ったところ、直近2期分の決算資料のほか、e-Tax等のIDとパスワードを入手することができました。
ただし、進行期のデータについてはもらうことができずに、代わりに1年分の総勘定元帳を印刷したもの(200ページ)と年間の残高試算表が送られてきました。
ここは正にAIの出番だろうと考え、あの手この手を考え試行錯誤してみましたが、結論的に断念しました。
まず、件数が多いこととOCRの精度がまだまだ高くない、そして読み取ったとして元帳形式(MJSなので複合がある)から仕訳日記帳形式に変換するのに重複するデータを除く作業が大変、といくつかのハードルが存在しました。
せめて元帳をCSVでもらえたらインポートは可能だったと思います。
試行錯誤の結果、現時点でAIができることとできないことがある程度わかり、それなりに意味のある作業だったと結論づけ、別のアプローチを選ぶことにしました。
一旦は会計ソフトに科目ごとの合計金額を打ち込んで残高試算表に合わせた上で、元帳を確認しながら修正仕訳と決算整理仕訳を入力して決算を確定させる。
これが一番シンプルですね、というか現状ではこうするしかないと思います。
元帳を見ながら全ての仕訳を入力するには量が多く、そこにかける時間もなく相応の報酬も期待できないのでこれが最善策でしょう。
一定の経験値があると、元帳を見るだけでその会社のお金の流れや経理処理の状況がある程度見えてきます。
もっとこう処理すればいいのにという提案事項がいくつかあるので、一旦決算を終えた上で来期の処理方法については提案をしようと思っています。
4-2 Claude CoworkとfreeeのMCP連携
先週紹介したClaude Coworkですが、これがfreeeと連携して操作ができるようになりました。いろんな使い方がありますが、まずは請求書の作成から始めています。
私の事務所では、請求書を全てfreeeで作って管理していますが、これをClaudeにチャットで投げるだけで、取引先の作成から請求書の作成、そしてそれを管理するためのNotionへの情報入力までやってくれます。
例えば、A社への請求書を去年のを複写して今年分を作ってと指示すれば、請求情報をnotionの申告管理DBから読み取って作成し、作成が終わったら請求日と請求書番号をnotionに入力し、請求ステータスを請求済に変更、まで全自動でやってくれます。
従来この作業はスタッフにやってもらっていましたが、今後はAIに切り替えます。
freeeを開いて、去年の探してコピーして、新規だと取引先を新規登録して、今年の情報を入力してなどと、請求書作成は地味に面倒な作業でした。
このように、「単純だけど地味に面倒な作業」からどんどんAIが代替するようになっていきますね。
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