事務所にこもって仕事をした一週間
1. 律する税理士コラム(近況報告)
今週は珍しくどこにも出ずに、ひたすら事務所にこもって仕事をしていました。
先月から今月にかけて、法人決算、個人の確定申告に外資系税理士法人の委託業務等が重なり、処理すべき業務が山積み状態でした。
本来であれば、さらにこの時期は出張が多い時期ですが、他のスタッフが対応してくれるため、業務に専念することができます。(スタッフの皆さんありがとうございます)
今週特に時間を費やしたのが韓国から来ている人たちの確定申告でした。
ここ数年、韓国企業の関連会社である日本法人に出向に来ている韓国人たちの確定申告を請け負っています。
彼らは本国の韓国から給与をもらっており、さらに日本の関連法人からも給与をもらっています。
彼らは韓国の給与に対してまず韓国で課税されます。
そして日本では、すべての国における所得を申告する必要があるため(全世界所得課税)、日本の給与のみならず、韓国からの所得に対しても課税されます。
そうなると韓国の所得に対して日本と韓国との両方で課税されることになります(二重課税といいます)。
この二重課税を防止するために、外国税額控除という制度があります。
日本で申告する際に、韓国の所得も一旦申告に含めますが、それに対して韓国で払った税額の一定部分を控除することができると言う制度です。
この申告のために、韓国の源泉徴収票をもらい、韓国の所得と税額を確認する必要があります。
初めて見たときは少し戸惑いましたが、韓国の税制は日本を参考にしている部分が多く、大まかな構造は似ており、必要な数字を特定することができました。
初めて依頼を受けた時は3人分を請け負いましたが、次年度からは急増し10人に増え、今回はさらに1人追加の11人分の申告になります。
初めてこの業務の依頼があったとき、正直この分野の経験は全くありませんでしたが、二つ返事で引き受けました。やりましょう、と。
受けた直後から必死で関連資料を漁り、税理士会にも問い合わせ、経験がありそうな知人に聞き込み、このケースの正しい処理方法を模索して対応しました。
2年目になり人数も増えましたが、パターンが同じなのでそんなに苦労をせず対応することができました。
3年目の今回も1人増えただけで楽勝と思っていましたが、そのうち1人は今年の3月に本国への帰国が決まり、出国までに今年分の準確定申告をしなければならない、さらに、別の2人は去年韓国企業を中途退職したりと今までにないケースで、新たに調べることが増えてんやわんやしておりました。
今週はそこに全集中できたので、なんとか目処がつきこのメールを書いています。
そんな矢先に、このタイミングで知人から確定申告の新規依頼のLINEが…
来週いっぱいまでは引きこもりモードで頑張ります。
2. 利するニュース(財務・税務・AI)
財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。
税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。
2-1 「SaaSの死」は本当か?シリコンバレーVCが語るアンソロピック「Cowork」が破壊すること…AIエージェントの本質とは(JBpress)
いまさら聞けない「SaaSの死」「アンソロピック・ショック」とは?(楽天証券)https://media.rakuten-sec.net/articles/-/51560
「SaaSの死」は最近よく聞くワードの一つだと思います。
SaaS(サース)はSoftware as a Serviceの略で、WEB上で利用する業務用ソフトウェアのことを言います。
SaaSは一般的にIDごとに課金をするのでユーザー数を増やことで売上が増えます。
これがClaude CoworkなどのAIエージェントの登場により、優秀なAIが業務を自動的に遂行していくので、多くのユーザーIDが不要になるというわけです。
そしてAIエージェントは今後ID単位ではなく、自動化などの使用量に応じた課金へと移行すると言われています。すでにClaudeは一部そのようになっています。
アンソロピックのCEOはインタビューで、「AIが12ヶ月以内に弁護士・コンサルタント・金融専門職の50%を消滅させる」とまで言ったそうです。
今後決算書にも人件費や外注費、支払報酬の代わりにAI費が増えるのでしょうか。
税理士としても危機意識を持たざるを得ません。
2-2 金融機関の業務で生成AI利用拡大、「健全な利活用」へ金融庁がディスカッションペーパー改定(読売新聞)
「チャットボット」やコールセンターで生成AIを利用する場合は、顧客に説明することが望ましい、「ハルシネーション(幻覚)」を起こすリスクなどについて事前に説明するなど、当然と言えば当然のような内容が記載されています。
リスクを説明したうえで積極的に活用していくことが予想されます。
2-3 もう飲み会にアルコールは不要?東京で泥酔者2万人減の衝撃データ(ダイヤモンド・オンライン)
21世紀に入り、20世紀後半に比べ「酔っぱらい」の人数が減っているという記事。
飲まない男性が増える一方で東京では女性の酔っぱらいが増加してるそうです。
たしかに私も意識的にお酒を避けるようにしています。会食の多い仕事の性質上全く飲まないのは難しいので、会食の回数を減らすようにしています。
健康的な理由とともに、つい飲みすぎて翌日のパフォーマンスに影響を与えるためです。若いときに比べて回復力が落ちていることも否めません。
同時に食事の内容にも気を使い、常に頭と体調をクリアに保つことを心がけるようにしています。
3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)
このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。
4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)
寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。
このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。
4-1 業務へのAIの活用
AIの進化が日々止まりませんね。
Xの税クラ(税理士など税務界隈の人々)の投稿を見ていると、日々新たなAIの機能を活用して税理士業務をこのように効率化したなどの記事が流れてくるのを見て、日々の業務に忙殺されてそれどころじゃないよとツッコミを入れながらも、興味がある自分としては忙しい合間にも色々試しています。
個人的には最近はClaude(クロード)の利用が増えています。
- Claude in Chrome https://claude.ai/chrome/installed
- Claude in Excel https://support.claude.com/ja/articles/12650343-claude-in-excel
- Claude Cowork https://support.claude.com/ja/articles/13345190-cowork%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%82%8B
AIの活用というと、何かを聞いたら答えてくれるという使い方が多いと思いますが、上記に挙げたツールはもはやエージェントと呼ぶに相応しく、指示をすればエクセルやブラウザの操作をしてくれるというものです。
Excelは集計はもちろん表やグラフ作成も自動でやってくれるし、スプレッドシート操作も可能です。
Googleフォームで集計した回答結果を、Claude in Chromeを使って別シートに集計シートを自動で作ってくれ、マニュアルまで作ってくれました。
Claude Desktopに至っては、MCPなどの初期設定が必要なものの、notionやslack、そしてfreeeなどの会計ツールまで操作してくれます。
今まで手間に思っていたnotionなどの操作も、適切に指示をすれば自動的に操作をしてくれます。
もちろん有料版に課金する必要がありますが、今この時期にAIへ投資をして試行錯誤しながらいかに業務のパフォーマンスを上げるか、そしてAIエージェントをいかに飼い慣らすかが今後のAI世界を生き抜く試金石のような気がします。
そして飼い慣らしていると思っていたAIに実は逆に飼い慣らされていたというディストピアの世界へ…(以下略)
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