国外事業者の納税管理人業務
1. 律する税理士コラム(近況報告)
国外事業者の納税管理人業務というのをやっています。
皆さんもAmazonなどのECサイトでよく商品を買うと思いますが、出品者の中には大量の中国業者が存在します。
彼らのほとんどは国内に拠点を持たず、アマゾンの倉庫に直接モノを送るだけで、国内での配送、集金や在庫の管理などをAmazonが全て代行してくれます。
国内に拠点を持たない(いわゆるPEがない)と法人税や所得税はかからないので、いくら儲かっても利益に対しては税金を払う必要はありません。しかし消費税だけはかかるんです。
消費税は国内の事業者と同じく、基準期間(2年前)の売上が1千万円を超えると申告義務が生じます。国内に拠点を持たない国外事業者が税金の申告をするには納税管理人を選任する必要があります。
この納税管理人と言うのは税理士じゃなくてもなることができます。個人だけではなく法人もなることができます。ただし税金の申告は税理士じゃないとできないので、一般的には税理士が納税管理人になります。
もちろん多くの事業者は適正に消費税の申告をしていると思いますが、中には申告をしていない国外事業者も存在します。そもそも国外なので税務署も補足をするのが難しく、コストも考えたときに税金を徴収するのは難しいところがあります。
そこに消費税インボイス制度が導入されます。インボイスを取得しないと、Amazonのサイトで選ばれない恐れがあるということで、今まで申告をしていなかった多くの事業者もインボイスの取得を選択しました。
インボイスを取得するには、税務署に届出を出す必要があるとともに、取得をすれば必ず申告義務が生じます。そこで多くの事業者にとっては日本の税理士が必要になります。
インボイスが導入される2023年、年始に1通の英文メールが届きました。
初めはいつもの迷惑メールだろうと思いましたが、文面を見るとTAXなどの税金に関するワードが目に入りました。Google翻訳を使い内容を読んでみると、送信者は中国の業者で中国国内の大量の輸出業者に対して税務を代行するエージェント会社でした。
主に中国の輸出業者がヨーロッパ向けに輸出する際に現地で生じる税金等を現地の税理士等と提携して代行する会社でした。それが日本でインボイス制度が始まるタイミングで大量の需要を見込んで日本市場に進出したい、そこで提携してくれる日本の税理士を探していると言う内容でした。
ロマンス詐欺か(送信者はEmmaという女性)士業向けの新手の詐欺かもしれないと、知り合いの税理士仲間にも何度か相談しましたが、タイミングといい内容といいどうやら本当かもしれないとも考えました。
半信半疑でしたが、海外ビジネスに興味があったこともあり、またこちらがお金を出すわけではないので、最悪手間だけかけてお金をもらえないだけだろうと考え、その提案を受けようとメールに返信をしました。
何度かメールをやりとりし、最終的には1度も会うこともなく、オンラインミーティングすることもなく、メールのみで契約まで交わしました。とある知人は絶対騙されてるからやめたほうがいいと言っていましたが、私はリスクを覚悟して契約書にサインをしました。
少し長くなったので、次週に続きます。
2. 利するニュース(財務・税務・AI)
財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。
税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。
2-1 「事業承継・M&A補助金」における14次公募要領が公表されました(経産省)
公募申請期間は下記のとおり
2026年2月27日(金) 〜 2026年4月3日(金)
M&Aを考えている事業者は事前に申請すると良いでしょう。
2-2 休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(法務省)
従来、会社の設立日は設立登記申請書を法務局に提出した日であり、法務局の開庁日である平日に限られていましたが、2月2日からは休日でも設立の日を指定することができることとなりました。
2-3 「子供も問答無用で強制帰国させられる」…外国人の経営管理ビザ要件厳格化で進行する「静かな危機」(現代ビジネス)
強化された経営管理ビザで、強制帰国させられる外国人が増えているという記事です。
先日会ったベトナム人派遣会社の社長も、税金や社会保険などの支払を1回でも遅れたりするとビザの更新ができないなど対応がひどいと嘆いていました。
3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)
このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。
4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)
寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。
このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。
4-1 AI活用事例
うちでは事務所の固定電話を外注に出しています。
もともと固定電話を設置せずにスタッフ全員のスマートフォンにアプリをいれていてそこで受発信をしており、そこが提供している電話代行サービスを利用しています。
電話が来るとオペレーターが受けて、相手先や用件などを記載されたメールが届くシステムです。
月額1万円ほどで電話応対のストレスから解放されると考えれば安い投資かなと思います。
メール内容に応じて担当スタッフが対応していましたが、担当が曖昧で放置されていたりされるケースも有り少し不便を感じていました。
そこでAIに相談をし、メールが来れば自動的に、日時、会社名、用件、電話番号などの情報がNotionのデータベースに飛ぶシステムをつくってもらいました。
自動化にはGoogleAppsScript(通称GAS)を使い、私のGmailを定期的に巡回して該当メールが来れば必要項目をNotionのデータベースに飛ばしてくれます。
Notionの方もあらかじめNotionAIをつかって必要なプロパティを指示して自動的にデータベースを作っておきました。
これで案件ごとに誰が対応してどの案件が未完了なのかが一目瞭然になりました。
このような簡単な自動化のためのプログラミングが私のような非プログラマーでもAIを活用して簡単に作れる時代です。
優秀なSEを安価で雇用しているとも言えますね。
簡単な自動化、請け負います笑
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