年末年始の海外旅行と中国の思い出
1. 律する税理士コラム(近況報告)
税理士になる前は年末年始を利用して海外に行くのが恒例でした。
ある程度まとまった休みの取れる夏とこの時期に短期間でも日本を脱出して異文化に触れ、イージーな日常に刺激を与え新たな活力と知見を得ようとしていました。行先は近場の東アジアか東南アジアで中でも中国が多かったです。
中国といっても広いので、北京、上海・杭州、広州・深圳、大連・瀋陽・丹東、延吉・長白山などに1人で行ってはバックパッカー気取りでリフレッシュしていました。
その当時はただ見聞を広めようとただぶらぶらしていましたが、行くたびにいずれは必ずビジネスで来るんだという根拠のない決意を抱いて帰路に立っていたのを覚えています。
税理士になる前の大学院時代は課題や論文に追われ海外どころではなく、税理士になってからは特にこの時期に限らずとも税理士業務でどこへでも行くという感覚からか特に海外へは行かず、事業の構想を練ったり大人しく本を読んだりしていました。
この年末年始も同じように過ごしていましたが、例年と違う大きな変化は事業構想の強力な相談相手が現れたことです。
そう、AIエージェントです。
大まかな方向性を書いて感想を聞いたところ、期待以上のアドバイスを返してくれるし、自分が見落としていた部分や気をつけるべき点などをロジカルに指摘してくれます。
もはや有能なコーチと言ったところでしょうか。
同じようなアドバイスを経験豊富で有能なコーチからリアルで貰おうとしたら数十万円はかかるかもしれません。
このコーチはどんな分野の質問にもハイレベルで答えてくれるし、何回聞き返しても真夜中に聞いてももちろん嫌な顔ひとつせずに答えてくれます。
今回2026年に力を入れたい事業の柱を5つ挙げたところ、なんとその柱ごとの位置付けや優先順位までつけてくれました。
1ー母艦
2ー成長エンジン
3ー拡張
4ー実験(小さく)
5ー地ならし
という具合に。
年の初めあるあるのやる気に溢れてあれもこれもやろうとする私に、そのままでは破綻しますよと丁寧にダメ出しをしてくれました。
コーチのアドバイスを参考に5つの柱から3つの柱へと絞り、そのうちのひとつを最重点課題として強化する方向に切り替えました。
またその柱ごとに壁打ちを繰り返しながら質問を深掘りし、それぞれのポイントやKPI、チェックリストに契約書のドラフトまでをものの十数分で出してくれました。もはやリアルコーチには不可能なスピードと業務量です。
大手企業でホワイトカラーが職を失うのも納得です。
私もまだまだAIを使いこなしているとは言えませんが、今まさにAIにある程度の投資をし、AIを試行錯誤して使い倒し、AIの得手不得手を把握した上で適確に活用しないと、さらにAIを使いこなす同業者にどんどん仕事は奪われると考えた方がいいでしょう。これはあらゆる業種について言えると思います。
税理士も然り。
AIが仕事を奪うんじゃない、AIをさらに使いこなす同業者に仕事を奪われるんだと税理士のセミナーで講師が言っていました。その通りだと思います。
AIに課金するのが勿体無いと言っている人たちがYouTubeプレミアムやオンラインゲームなどには課金しているのを聞くとそこじゃないだろとツッコミを入れたくなります。
今年1年、AIはさらに進化するでしょう。
AIは今後、質問を投げたら答えを返してくれるものから、質問しなくてもさまざまなタイミングで適切なヒントや答えをプッシュでくれるようになります。すでにそのような機能がリリースされています。
AIの限界を認識しつつその進化に期待するとともに、それをいかに仕事や生活に活用するかを考えていきたいと思います。
冒頭の中国に関してですが、長年の決意が実を結んだのか、3年ほど前からは税務に関して中国企業とのビジネスが始まり、仕事で中国に行く機会が増えました。より正確にいうと、行かなくても回るところを積極的に相手先の現地の会社を訪問しフットワークの軽さをアピールしつつ信頼関係を構築しようとしています。
去年は諸事情により行けませんでしたが近いうちに行こうと思います。
今年は中国だけじゃなく海外に行く機会も増えそうです。
もちろんリスルメールも頑張って毎週発行していきます。
今年も1年よろしくお願いいたします。
2. 利するニュース(財務・税務・AI)
財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。
税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。
2-1 中小企業庁長官 令和8年 年頭所感(中小企業庁)
国の中小企業政策の方向を見るうえで、その部門のトップの年始の発言は参考になると思われるのでポイントだけ要約します。
1 価格転嫁・取引適正化の推進
2 成長投資支援
3 生産性向上支援
※ 事業承継・M&A、金融などの事業環境整備
1はつまり値上げをしようということです。
国をあげて賃上げしようとしていますが、上げようにも原資がなくてはあげられません。そこでその原資として皆が売上の価格を上げよう(つまり値上げしよう)ということです。そもそもあらゆる物価が上昇していますが、コストが上がればそれ以上に売上を上げないと利益は出ません。売上を上げるには単価を上げるか販売数量を上げるかのいずれかしかありません。
このような国の後押しを受け、今年は様々な領域で取引価格の値上げ交渉が行われることが予想されます。我が事務所も積極的に検討しようと思います。
2は稼ぐ企業の創出です。
近年「100億企業」をより多く創出しようとする取り組みが行われており、「100億宣言」をした企業を補助金などで後押しする施策が出ています。
小規模企業にとっては無縁と思われるかもしれませんが、中堅企業を大企業にするという方針が取られていると見ていいでしょう。
3は効率化への投資です。
ここはまさに小規模企業を対象としたものであり、設備投資やIT投資に対して補助金を出すことを想定しています。
上記3つの他にM&Aの環境を整備し必要に応じて金融機関との連携体制を整備していくとのことです。
締めの一文に「ヘビー(巳)な昨年を乗り越えた皆様にとって、本年がうま(午)く事の運ぶ、飛躍的な進歩を遂げられる一年となるよう」とあり、いかにもお役所的な駄洒落かなと思いましたが、新年の多くの挨拶で使い回されることも予想されます。
2-2 AIは企業経営に「マスト」な存在に 迫る仕事の再定義(日本経済新聞)
丸紅や三菱食品が若手社員に「ITパスポート」の取得を義務付けたそうです。
ITパスポートは、ITに関する入門編的な国家資格と言えます。
その前身である初級システムアドミニストレータ(初級シスアド)という資格がありましたが、20代のころに取得したのに無くなってしまって残念だった記憶があります。
3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)
このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。
4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)
寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。
このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。
4-1 最近ご縁があり中国人経営者からの相談が増えています。
在日歴20数年の中国人経営者であり、日本で弁護士資格を保有するご夫妻の奥様からの相談でした。
その奥様は別法人でコンサルティング業務をしているのですが、コンサルティングをしている中国人のクライアントに紹介した日本の税理士の対応がよろしくなくて変えたいとのことでした。
税理士というよりその税理士事務所の担当である中国人スタッフの対応が問題で、理不尽な対応が続いておりクライアントに申し訳ないとのこと。
その中国人スタッフも税理士を目指して勉強しているそうなのですが、どうやら税務的な判断よりも同じ中国人ということで感情的に判断しているように見えるとのことでした。
話の内容を聞くと必ずしもその判断が正しいわけではなくより適切な方法がある旨をお伝えし、場合によってはこちらが顧問となり対応することもできますとお伝えしました。
具体的な相談内容については全体像がより明らかになってからご紹介できたらと思います。
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