レイル自らを律し 税をもって 人を利する
RiSSLE Vol.008

経営・管理ビザの要件が厳格化

2025.12.12

1. 律する税理士コラム(近況報告)

かねてから付き合いのあるビザ専門の行政書士から相談がありました。

在留資格の一つである経営・管理ビザの要件が、今年の10月から厳格化されたのですが、それに対する相談でした。

経営・管理ビザは、外国人が日本で事業を経営しその管理をするためのビザです。そのために一般的には法人を設立します。その法人に関して要件が改正されました。

改正内容は以下の5つ。

1. 1人以上の常勤職員を雇用しなければならない。

2. 資本金が従来の500万円から3,000万円に引き上げられた

3. 申請者本人か常勤職員のいずれかが相当の日本語能力(N2以上など)を有する必要がある

4. 関連する業務にかかる分野の博士、修士か専門職の学位を取得しているか、経営管理について3年以上の経験を有する必要がある

5. 事業計画書について税理士、会計士又は中小企業診断士の確認を義務付ける

その行政書士さんの相談というのはまさに5の事業計画書の確認についてでした。

改正前は事業計画について実現可能性が乏しくてもあまり厳しく問われなかったみたいですが、今後は「その計画に具体性、合理性が認められ、かつ、実現可能なものであるかを評価する」こととされました。

そのために経営に関する専門的な知識を有する者として上記の3者が指定され、確認が義務付けられました。

イメージとしては、診断士は新たな業務が増えるので喜ぶ一方、税理士は事業計画書の確認だけだと割に合わないので税務顧問とセットだと受けるという人が多いような気がします。それに確認と言っても実質的にはこちらで作成することになるケースが多いでしょう。

それ以前に外国人はメンドクサイと断る年配の税理士が多いかもしれません。

個人的には経産省認定の経営革新等支援機関(認定支援機関)も対象とすればいいとは思います。

いずれにせよ、日本政府が外国人を一方では受け入れたいが一方では制限したいという思惑のなか、ビザ業務を入口とした外国人関連業務は確実にニーズが増えることが予想されます。

また、各専門家同士の連携が今まで以上に必要になってきており、ワンストップでトータルに対応できるところに依頼は流れることでしょう。

我々もこの流れに対応するべく、士業連携を強化しワンストップで対応できる体制を整えていこうと思います。

2. 利するニュース(財務・税務・AI)

財務・税務・AIなどの最新トレンドをピックアップします。

税理士が扱うメインテーマとしての税務と付随業務である財務、そして業務と密接に関わるAI・IT関連の情報について、知っておくべき情報を発信していきます。

2-1 令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要(国税庁)

法人に対する税務調査に関する国税庁が発表する1年間の統計です。毎年チェックしていますが今回は追徴税額が3,407億円と過去最高になっています。

その理由の一つに、国税庁はAIの活用を挙げている。調査先の判定にAIを活用し、その結果を元に調査官がさらに分析して調査を実施した結果、効率的で精度の高い調査を行ったとのことです。

国税庁はさらに重点的に調査をする対象として、消費税還付申告法人、海外取引法人と無申告法人の3つを挙げています。この3つはここ数年変わらずに重点調査対象となっています。

消費税の不正還付、海外取引を活用した租税回避や意図的に申告をしない法人については特に目を光らせています。

2-2 「IT導入補助金2025」「通常枠:6次締切」、「セキュリティ対策推進枠:6次締切」、「インボイス枠(インボイス対応類型):6次締切」、「複数社連携IT導入枠:3次締切」の補助事業者を採択しました(中小企業庁)

採択率が42.5%と、どんどん下がっていきます…

2-3 税理士が作った所得税シミュレーター(令和7年版)

https://x.com/chihara74/status/1997218388914159725?s=12

X上でも人気の税理士が作ったWEBアプリケーション。GoogleAIStudioで作ったようで、プロプログラマーじゃなくてもAIを活用してプログラムを自作できる時代。AIを活用できる税理士とAIにより淘汰される税理士にどんどん分かれていきますね。

3. 利するマッチング(商材・人材・M&A)

このコーナーの案件は、Webの掲示板にまとめています。最新の案件と成約・終了の状況は マッチング掲示板 をご覧ください。

4. 利する相談事例(Q&Aコーナー)

寄せられた相談事例を匿名で紹介し、解決のヒントを共有します。

このメールに対する質問や相談、叱咤激励などのご意見などは以下のフォームからお願いします。次回以降のこのメールにて答えられる範囲で回答いたします。

リスルメール質問箱

4-1 相続の相談がありました。

被相続人が朝鮮籍とのことでいくつかの税理士に断られ、こちらに話がきました。

一般的には朝鮮籍の存在すらわからないんでしょうね。

こちらでは頑張って対応いたします。

4-2 新設法人の申告を特急で頼みたいとのご依頼がありました。

仕訳はエクセルに入っているのでいついつまで(1週間以内)に申告してほしいと、焦った様子で電話がありました。

普通の税理士は受けてくれないと思いますが私は普通ではないのでもちろん受けることに。知り合いからの依頼だったこともあり、特急料金を加算するとの合意のもと請け負いました。

フタを開けてみると青色の届け出がでていないというトホホな状況。

設立だけして後は知らないという司法書士や行政書士から流れてくるこのような案件はよくあります。なんとかならないものでしょうか。

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